読書

『アメリカ素描』 司馬遼太郎

『1Q84』にどっぷり浸っていたら、なんだか無性に違う毛色の本が読みたくなって、司馬遼太郎の『アメリカ素描』にはまっている。1985年に司馬遼太郎が初めてアメリカに渡り、その時の見聞記をエッセイとしてまとめたこの本、なんでこんな面白い本を20年間も…

暑い日に読むような本じゃないけど、『罪と罰』

なに、この暑さ、ふっ〜 帰宅した玄関先で、俺、暑さ苦手なの思い出した、って言ったら、「あなた、冬も寒くて嫌って言ってたよ」だって。毎年のことながら、暑さに馴染むのに時間かかるんですよね じめじめも苦手だけど、これで蝉の声まで聞こえ出したら、…

1X84 読売、著者インタビュー

http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20090616bk02.htm?from=yolsp(村上) 事件への憤りは消えないが、地下鉄サリン事件で一番多い8人を殺し逃亡した、林泰男死刑囚のことをもっと多く知りたいと思った。罪を犯す人と犯さない人とを隔てる壁は我々が考えて…

もうひとりの村上、春樹氏がエルサレムで演説したわけ

歳も近いし、苗字が同じというだけで対比されるのもなんだけど、昨日の村上龍氏と同世代の村上春樹氏。エルサレム賞受賞にともなうイスラエルでの彼の講演「壁と卵」が、イスラエルによるパレスチナ空爆を非難しているとも取れる内容で、賛否両論話題になっ…

無趣味のすすめ

無趣味のすすめ作者: 村上龍出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/03/26メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 142回この商品を含むブログ (87件) を見る趣味は何ですか?と聞かれると、困ってしまう 暇な時に何をしているかっていったら、家にいれば、書物の…

ベトナム、重松、フレッツテレビ

今日のランチはベトナム料理「Com Pho with TERRACE」。まろやかな甘味と食べ終えた後のスパイシー感で体が芯からジンワリ、週末出かけたショッピングモールで食べたランチもベトナム料理、食べ始めると癖になる味。パクチーの苦味も、またよし。 # 徒歩5分…

ウィークデー ライブラリ 『きみの友だち』と『断る力』

きみの友だち (新潮文庫)作者: 重松清出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/06/30メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 128回この商品を含むブログ (95件) を見るテーマはなんだろう、「みんな」と同調するな、ということかな 仲間はずれになること、いじめら…

ウィークエンド シアター MIST

ミスト [DVD]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2008/09/17メディア: DVD購入: 3人 クリック: 90回この商品を含むブログ (261件) を見る結末は、おもいっきり裏切られました という意味で、サプライズのあった映画、そのオチは無いだろう…ストーリは…

暖かいより、花粉の飛ばない冬のほうがまし

殯の森 [ うだしげき ]ジャンル: CD・DVD・楽器 > DVD > 邦画 > ヒューマンショップ: 楽天ブックス価格: 4,195円カンヌ映画祭でも話題になったし、河瀬監督はじめ出演者の出身も撮影場所も奈良、ということで話題になった映画、山間のグループホームで暮らす…

仏教はいずこに、オバマ演説

キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンズー教、無心論者、 これら宗教の違いを乗り越えた多様性こそアメリカの強みとオバマは演説した仏教が抜けてる、なんでだろう? 今読んでいる『図解ガイド「世界の三大宗教」重要ポイント83』によれば、ヒンズー教よ…

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

水村 美苗この本の中で萩原朔太郎の詩が紹介されていてふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し せめては新しき背広をきて きままなる旅にいでてみん。船旅でしか渡航する手段のなかった昭和初期の詩 仏蘭西でもなく、フランスともちがう、ひら…

絵文字は方言、日本語は<国語>

先週末、誕生日の祝いを兼ねて、久しぶりに妹達とあって、一回り年下で30代の彼女に言われたのは、メールは末尾にちゃんと顔文字とか絵文字いれないと冷たい印象になるという事。これはやっぱり世代の違いなのだろうけど、なかなかやり慣れない事ではある。…

『7つの習慣』 10年前のメモ帳から

最近、また話題になっているこの本、そういえば、10年ほどまえに読んで、えらく感動したな。古い手帳を引っ張り出して探してみたら、 あった、あった、 あの頃、この本を読んで書いたメモ書きが。その内容をレビューとして転記してみた。 あの時から、10年間…

七瀬ふたたび(テレパス)とオウム真理教(マインドコントロール)

『七瀬ふたたび』がTVドラマで始まったのをきっかけに久しぶりに手に取ったSF小説『家族八景』、筒井康隆の七瀬三部作の最初の作品で出版されたのは30年も前のことだけど読んだのは初めて。主人公の七瀬は人の心を読み取る能力を持った超能力者。他人の思考…

勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan

勝間和代さんの本は読みやすいノウハウ本という印象で、本が売れるための仕組みがしたたかに施されているが、太字の部分だけ読めば内容が判ってしまうし、中身が薄いような気がしていて、人に勧める気にはならなかった。この本も読み易さという点ではそのス…

読書進化論

読書進化論?人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか? (小学館101新書)作者: 勝間和代出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/10/01メディア: 新書購入: 10人 クリック: 79回この商品を含むブログ (222件) を見るまずは勝間さんのブログの目次を読んで…

『脳を生かす仕事術』

脳を活かす仕事術作者: 茂木健一郎出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2008/09/10メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 9人 クリック: 59回この商品を含むブログ (137件) を見る印象に残った内容をメモとして残しておこっと …・ 記憶は出力を通して整理さ…

『文明の生態史観』

北京オリンピックで50近い民族の衣装を着た子供達が実はほとんど漢民族だった、なんて事が話題になっていた時に、あるブログで取り上げられていた、40年前に書かれた梅棹忠夫氏の著作『文明の生態史観』、これがなかなか面白い。http://blog.goo.ne.jp/iked…

僕の妻はエイリアン―「高機能自閉症」との不思議な結婚生活 泉流星著

自閉症って何?という事がわかる本僕の妻はエイリアン―「高機能自閉症」との不思議な結婚生活 (新潮文庫)作者: 泉流星出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/06/30メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 65回この商品を含むブログ (61件) を見る 自閉症、引きこ…

『クライマーズ・ハイ』

『クライマーズ・ハイ』という小説を読み終えた。映画化されたそうで、ロードショーが始まるのが来月の5日から。読み終えたというより中程まで読んだところで飽きてしまって、読み飛ばして最後まで一気に読んだ。映画のシナリオのような構成で 新聞社内での…

今月の文芸春秋六月号『零戦と戦艦大和』から

当時世界最高の技術を誇る兵器の強さともろさを徹底議論という内容。3000kmという航続距離と小回りのきくぬきんでた運動性能の両立を実現できたのは当時零戦だけだった。戦争初期では連戦連勝、空冷エンジン、モノコック構造、優れたエレクトロニクスに特徴…

「さらば財務省

今日読んだ高橋洋一氏の「さらば財務省」は読み応えがあった。著者の「財投改革の経済学」、これはちょっと手にとってはみたものの、いきなり経済の専門用語が出てくるので、とても手が出せなかったのだが、「さらば財務省」は読み物としても面白い。大蔵省…

「パラダイス鎖国

海部美知さんの造語「パラダイス鎖国」、これがタイトルとなっている本が出版された消費者向け商品を売っている日本の企業は、機能性能にこだわりの強いの日本のお客さん向けに品質のいい物を作って、それを海外にも展開して業績を伸ばしてきた。自動車産業…

書評 『暗号解読』 サイモン・シン著

本書に書かれているのは暗号作成者と暗号解読者との戦いの歴史だ。古くはギリシア時代の軍事通信からインターネットで広く使われているRSA暗号さらに量子暗号といった未来の技術についても取り上げている。暗号解読という言語学と数学との理解を必要とする一…

書評 『痛快!憲法学』 最終章

/// 憲法学 「第十三章 憲法はよみがえるか」 より > 7/30からの続き あらすじ ・ 戦前日本のデモクラシーは軍部の台頭で滅んだが、戦後は軍部に替わり官僚が独裁者となった。バブル経済をつぶすため、法律にも基づかない「総量規制」という大蔵エリートの通…

「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」

2チャンネル管理人西村博之氏の本、著作というかインタビュー記事を本にしたもの。欲しい情報(Signal)より無意味な書き込み(Noise)の方が多くてS/Nの悪い2ちゃんねるは最近自分はアクセスしなくなった。ひろゆき氏の名前は知っていたが、2ちゃんねるへの興…

トフラーさん、『富の未来』

前々回の日記でも触れたコムソンの件はグッドウィルグループ外への譲渡でけりを付けようととしているようだが、まだこの先波乱がある気がして目が離せない。外交面ではロシアのプーチン大統領はルーブルでの原油取引を宣言したようで、イラク戦争の泥沼化で…

「神の子どもたちはみな踊る」 村上春樹著

阪神・淡路大震災の起きた時期を想定して展開する物語の短編集。レビューにも書いたが、各々の短編集に共通するテーマは人と人とのつながりとは何に依るのかという事だと思う。友人同士、恋人同士、夫婦、惹かれあうという気持ちだけでなく、相手とのコミュ…

「ドコモ2.0」と『フューチャリスト宣言』

「ドコモ2.0」先週末頃から全国紙、TVと大々的に広告を出している。 広告からはどれだけ変わったのか伝わって来ない。 なんかそんなに凄そうに思えない。 そこで、自分で勝手に想像(創造)した携帯2.0。「携帯2.0」 1. メールはwebメールにして携帯 or パソ…

新人類と呼ばれた世代の原体験

梅田望夫・茂木健一郎共著『フューチャリスト宣言』という本を読み始めていて、この本の「はじめに」の中でに茂木健一郎が面白い事を書いていた。彼は子供の頃のアポロの月面着陸(1969年)を覚えていて、その原体験が未来に対する楽観的な見方を培ったと指摘…