「ドコモ2.0」と『フューチャリスト宣言』

「ドコモ2.0」先週末頃から全国紙、TVと大々的に広告を出している。
広告からはどれだけ変わったのか伝わって来ない。
なんかそんなに凄そうに思えない。
そこで、自分で勝手に想像(創造)した携帯2.0。

「携帯2.0」
1. メールはwebメールにして携帯 or パソコンどちらから読んでも同じ使い勝手にして、携帯で漢字変換した学習辞書はパソコンからも同様に使えるようにするサービスのついた携帯

2. ダウンロード購入した音楽はiPodや携帯には貯め込まずにネットの向こう側のサーバに置いておいて、携帯からもパソコンからも同じように音楽が再生できるようにするサービスも付加

3. WLAN(無線LAN)の電波が届く場所では自動的にWLAN経由でインターネットに接続する携帯電話。これなら、携帯電話の100倍早い速度でネットに接続可能

2.0っていうならこれ位の事はやってほしいなぁ。
今度のドコモは言ってみれば「ドコモ1.2b」程度だろうと突っ込みたくもなる。

フューチャリスト宣言』等、梅田望夫氏の著書で描くweb2.0の世界に較べ、携帯電話の進化はまだまだこれからだなと思える。


梅田望夫氏と茂木健一郎氏の対談と講演会の記録
印象に残った項目をリストアップしたが、本の内容はもっともっと多彩、このレビューでは書ききれない位。インターネットが大好きという人には共感できる内容が多いので、楽しく読めるでしょう。

・ システムの一人勝ち
ブログを書く、mixiに日記を書く、誰でもが自分の意見を伝える手段を得た喜びでネットの向こう側のサーバに次々と情報を蓄積していっている。結果としてGoogleが賢くなり、mixiを運営する企業の価値が上がっている。コンテンツは流通させるための素材に過ぎず、ブログの書き手はあたかも映画『マトリックス』での人類(電池)のようなもの。

・ ブログ
インターネット上にブログを書くと誰がコメントを付けてくるかわかない。だから、ネットはセレンディピティを促進するエンジンとなりうる、偶有性が乏しいSNSには共感できない。
 セレンディピティ ; 偶然の出会い
 偶有性 (contingency) ; 必然性無く、たまたまそうなったという意味

・ 3つ目のリンゴ
アップルの人達は自分達は人類史上三つ目のリンゴを産み出したという。
アダムとイブ、ニュートン、そして、アップルコンピュータ
歴史を自分達で作っているという気宇壮大さがシリコンバレーの技術者にはある

・ シリコンバレー
シリコンバレーでは、「お前はいままで何をやってきて、これから何をやりたいか」が問われる。肩書きではない。そして、テクノロジーが反体制の人をエンパワーすると考えるのがシリコンバレー流。
ユーチューブのようなサービスは放送局からクレームが来ると考えるから日本の企業から生まれない。政府、NTT、放送局、電力会社に納めている日本の電機産業がインターネットに踏み込めなかった理由がそこにある。

・ 世の中を俯瞰して理解する事
好きな事を深堀するより、歴史との比較で未来を考え、世の中を俯瞰して理解したいという気持ちがある。理解のフレームがあると自分と自分の家族がサバイバルできるから。
たくさんの分野に興味があって、関係性に興味があって、俯瞰してものを見て全体の構造をはっきりさせたいという志向がある人はこれからの時代有利になる。

・ 情報収集法
2002年から米国内飛行機に乗るのを止め、学会などにいかずネットで情報を集めている。Googleは使わず、500人(ほとんどアメリカ人)のブログを読んで情報をつかんでいる。
自著のネット上の感想を全部読んでいる。どこに注目し何を考えるかというのが一人ひとり違うので面白い

・ これからおきること
逆説的だがインターネットの時代は総合的な視座が求められて古典的な教養が復活する。
知識がフリーというのは共産主義の理念に似たようなことを情報というドメインでやっている。
18世紀の啓蒙主義と今の時代が似ている部分があって、その啓蒙主義が何を生み出したかというネガティブな意見もあるが、インターネットは人間が言語を獲得して以来の地殻変動といえる。
Googleが負けるとしたらP2Pかグリッドコンピューティングか。