『オデュッセイア』

『オデュッセイア』
ギリシア神話についての予備知識が無いとストーリに着いていけない映画
ゼウス、トロイの木馬、って何?鑑賞前に知っておくべし
オデュッセイアは、古代ギリシャの詩人ホメロス作とされる紀元前8世紀頃の英雄叙事詩

初めてのIMAXレーザ体験 巨大な迫力ある映像、リアルサウンドの爆音、没入感
なのに映画序盤話についていけず、ついうたた寝
突然鳴り響く爆音、一つ目の巨人が兵士を喰うシーンでたたき起こされた
思い出すのは「進撃の巨人」
この後は、迫力のあるシーンが続きぐいぐいと惹きつけられ最後まで飽きさせない長編映画

クリストファー・ノーラン監督がこの映画で伝えたかったメッセージは何だろう?
ラスト、オデュッセウスは孤軍奮闘する
敵の手に武器がある限り戦いは終わらない
神ゼウスの掟に逆らい戦いを続ける人間達には罰が下る

反戦映画と自分は受け止めた

ノーラン監督の映画は『オッペンハイマー』もそうだったが、話の展開が過去と未来を行き来きするので分かりにくい
非線形的な時間の描き方、時系列的ではない方法で、時間や物語を伝えることに関心を抱いてると彼は語っている

結末を知った上で、もう一度見てみたい
ノーラン監督という人は、一度見ただけでは理解できない映画を作る人なんだと思う

地上波ドラマ「Tシャツが乾くまで」

地上波ドラマ「Tシャツが乾くまで」
TVなんてオールドメディアは廃れてゆくかと思ったら、TBSのドラマが意外に面白かった
話題になっているというので9話から見始めたドラマ
1話と2話はTVerで、あとはあらすじ程度の理解

お互いに過去については言いたく無い事には触れないという条件で結婚した夫婦、9話で夫(松山ケンイチ)の失踪癖と妻(蒼井優)の4回の離婚をお互いに告白、夫に無理させてる事に気がつき、好きフィルタも破れたと、妻が離婚を切り出したところで9話は終わる
最終10話では離婚したものの好き合っている気持ちに変わりはなく、会いたくなったら会うという関係を継続、夫婦ではないので、夫以外の男性と会うのも自然なこと、というのが話の結末

「戸籍が別でも、一緒に暮らしてなくても、会うのは週1でも月1でもいい。お互いに居心地がよく、ちょうどいい距離感でいられる人とだけ一緒にいる」と妻は夫に告げていた
離婚や非婚が一般的な選択肢となった世相を色濃く反映したホームドラマ

月に一度だけコインランドリーで会う関係から物語は始まっていた
毎日顔つき合わせるパートナーには言いづらい、でも信用できる他人にならば話せる事がある、という気持ちはわかる気がする

脚本家の生方氏は33歳、群馬大学医学部卒業、看護師、助産師とした働いた経験を持つ
看護師としての資格と経験があるので、仕事ならいくらでもあるという気持ちの余裕があり、夢だった脚本家を目指した

米国のドラマは見ない、地上波ドラマが好き、日本語での表現へのこだわりを持つ脚本家
地上波ドラマは毎週同じ時刻に鑑賞するわけで、放映後はSNSで盛り上がる
僕らが学生の頃、ビデオすらなく、話題のドラマはその時間に家で見るしかなかった
同時に見て、翌日学校で話題にして感想を共有する、そんな楽しみ方をしていた

同時刻に物語を見る、アマプラでは得られない、ワクワク感
今、昔と変わらぬ楽しみ方を地上波ドラマを見る若い人たちがしているのが興味深い

主演の蒼井優は演じながらワークショップに参加しているかのようだとその脚本の理解の難しさについて語っていた
優れた若い脚本家がこれからもドラマを作っていくのか
地上波ドラマも捨てたものではない

雨にも負けず 小説ITベンチャー 高杉良

雨にも負けず 小説ITベンチャー 高杉良
 
大学の剣道部時代からの友人で米国で起業した小畑浩志君、彼とは1994年偶然成田空港で再会、ネットの時代のクロネコヤマトをやるんだと熱く語っていた。
当時は海外出張先からはダイヤルアップで接続、niftyアカウントのメールで職場と連絡という時代で、イントラネット、暗号化、ファイアーウォール、セキュリティ、等という言葉並べて説明されたけど、自分にはその技術の価値は理解できなかった。

1995年に、米ボストンにてe-Parcel.Inc を創業、日本での事業展開の為、2000年にこの小説の主人公北野譲治氏をスカウト、この小説では小畑君は財津CEOという名で登場する。
企業小説の第一人者の著者高杉良氏は、この会社の現CEO北野氏の産経新聞インタビュー記事を目にしてコンタクトを取り、彼の実直な人柄に惹き込まれ小説にしたくなったそうだ。

本小説の中で一番面白かったのが、ボストン在住の財津CEOが一時来日して北野氏を口説く場面。すでに日本で保険代理店を起業してた北野氏を世界初の電子物流市場を一緒に立ち上げましょうと大風呂敷を広げ、あなたの能力を見出した私の直感には間違いないと延々と口説き続けた財津CEOの姿。あふれる自信、思い込みの強さ、創業者には欠かせない気質なのかも?

2002年に財津CEOは家族をボストンに置き、帝国ホテルに単身滞在、毎夜北野氏をステーキ等肉料理に付き合わせ、メタボ体型となった北野氏は友人である医師より忠告を受ける羽目に。
一方、財津CEOは毎日ホテルのプールで泳いで体型を維持してたとかで、その圧倒的な行動力と迫力に北野氏も化け物と財津CEOを評していた。

このイーパーセルというベンチャー企業は2012年にヤフーやグーグルを特許侵害で訴訟した会社としても知られていて、データ再送信、プッシュ通知、自動圧縮、等、今聞いたら当たり前な技術だが、1990年初頭に出願できてた事は驚きだ。技術力の高さはNECや富士通の折り紙付きで、2000年9月に日興プリンシパルから10億円の融資を獲得してた

起業家を目指してた北野氏は、学生時代の花屋でのバイトで接客を学び、大学卒業後保険会社の契約社員として働き高い実績を上げ、そして保険代理店を起業する。
物語の前半は、彼の両親、友人達との交流、恩人達との関係、そして物語の後半には潰れそうになったこの会社を立て直す彼の活躍ぶりが描かれている

高杉良が「最後の小説」のモデルに選んだ、伝説の経営者の生き様
https://gendai.media/articles/-/64941

この小説の主題はゼロからイチを生み出す創業者と1から100を生み出す経営者とでは求められる資質が違うという事
高杉良氏にとって最後の企業小説、とても面白い人間ドラマでした

NHKの「激変 AI時代 わたしたちはどう働く」

NHKの「激変 AI時代 わたしたちはどう働く」
AIに仕事を奪われた人のリアルな話
紹介されてたのは、月収が45万円から15万円に減ったウェブライターとライザップで事務職から建設技能者へのキャリヤチェンジにトライしている社員さん
塾講師の経験を活かして2000件もの記事を書いていたウェブライターさんは、AIがまとめ記事を作るようになり仕事の注文が減り減収
ライザップで事務職として働いていた40代女性は配置転換によりヘルメット被り電動ドライバーを握る
チョコザップなどの新店舗建設を自社グループ会社で行ない社員活用と施工内製化によるコスト削減を図るライザップ、社員5000人のうち500人を建設技能職へ転換させると発表した
畑違いの職種への配置転換はびっくりだ

番組の中でAIの影響を受けやすい職業としてリストアップされていたのが
自然科学系研究者 公認会計士などの士業 個人教師 システムコンサルタント・設計者 記者・編集者 事務従事者
つまりはホワイトカラー冬の時代の到来

ゲストの落合陽一氏は常時AIを使っていて、楽しい毎日だとか
マイヘルメットを持ち、自分でコーディングもやり論文も書きと幅広い仕事を経験している彼はAI時代になり更に仕事の幅が広がっていると

国が試算した「2040年の就業構造推計」という資料によると
事務職が約440万人余る一方で、現場人材が約260万人AIロボット等活用人材が340万人、足りなくなるという試算結果
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shin_kijiku/pdf/030_s02_00.pdf
資料の中には、さらに、大卒・院卒の文系人材は約80万人の余剰、大卒・院卒の理系人材で約120万人の不足なんて事も書かれている。

文系理系を問わず、自分の仕事の付加価値って何?って問いかけが必要だ
自分で手を動かさず、他人の仕事の上前はねてるだけの仕事とか、数字まとめてるだけの資料作りとか、なくても困らない仕事が無くなってくという話だと思う

AI使って毎日が楽しいと言ってた、なんにでも手を出し自分で動くゲストの落合氏見ながらそんな事を感じた

3月にMacBook NEO購入

3月にMacBook NEO購入
パソコンとしてwindowsで特に不自由があるわけでは無いけど アップル社のMacパソコンが10万円切ると知り心が動いた
1995年にWindowsが登場して会社のPCはWindowsに統一され、TeamsにCopilotと今やビジネス用途はマイクロソフト社の独断場

90年代前半、職場で触れた初PCはMacのLC630、トラブル時には泣きマック、MacドローやMacライトと文章作成には欠かせず、馴染んだデスクトップパソコンとしてMacには愛着がある

ハードウエアとソフトウエアを一体にして売り出したアップル社、ソフトウエアOSに特化してハードウエアは他社に任せたマイクロソフト社、ハードウエアを自社PCとして作りたい電気メーカにとってマイクロソフト社のウィンドウズは商売として魅力的
仲間作りに成功したマイクロソフト社、ビジネス用途としてWindowsはデファクトとしての地位を固めて行く
PCが売れず傾いたアップル社、業績回復はスティーブ・ジョブズの復帰を待つ事になる

購入したMacBook NEOはスマホと同じUSB-Cで充電できるのでPC用充電器は不要
二本指と三本指とで機能が変わるトラックパッドも素晴らしい
始める時は指紋認証、使い終わったらパタンと蓋をとじる使い勝手はスマホに近い

蓋はピッタリ閉じてサイドを指でのぞっても継ぎ目がわからない
なのに開ける時には指一本で軽く蓋が開く
触っていて気持ちがいい

こんなにも質感の高いPCが10万円を切るとは!
少品種高品質大量生産のマックだから実現できたのか
ここ数ヶ月のAIと半導体ブームでメモリが高騰
6月末に2万円も値上げした本機、新発売と同時に買っておいて正解

AIは人の仕事を奪うのか?

AIは人の仕事を奪うのか?
昨日MicroSoft Teamsが障害を起こした記事を読み、令和のオフィスはTeams無しでは仕事が止まる事を思い出した。

振り返ってみると、2020年夏に東京オリンピックが予定されていて、都心電車の混雑緩和の為、国を挙げてテレワークが推奨され2019年7月22日から「テレワークデイズ」なるキャンペーンが始まった。当時はテレワークは上長の事前許可制だったが、2020年2月に始まったコロナ禍、3月には全社的に出社が禁止され、強制的に在宅テレワークへと勤務形態が変わった。

会社のネットワーク増強、自宅での光回線導入、が一気に進んで、ネット会議の為のツールとして導入されたのがコミュニケーションプラットフォームTemas。
自宅のPCにはマイクとカメラが付き、液晶モニターを机に並べ、全ての会議はTeams経由で行われる。
自宅での業務遂行は痛勤電車からの解放を意味し、空いた時間は家事に使うことができるようになったが、つい残業時間が伸びがちだったし運動不足になるという副作用もあった。

このTeamsというアプリは更に進化し会議の録画やマイクで拾った音声を文字に起こす機能も追加され会議に出席せずとも会議内容を確認できるようになった。更にMicrosoftのAIアシスタントCopilotを使うと会議の議事録が作成される。会議中に質問をCopilotに投げて返ってきた回答を会議中にあたかも自分のアイデアのごとく発言する輩もいると聞く笑。

昔は議事録とったり会議の司会したりという仕事がファシリテーターと呼ばれ重宝されたが、それはCopilotに取って代わられるだろう。Copilotの議事録には、会議で決まった事/決まらなかった事、アクションアイテムの担当者は誰か、とか、人間がやったら気を使って曖昧にしがちな役割分担もズバズバと書かれる。

人の仕事が取って代わられるだけでなく、AIが仕事の進捗を管理する、そういう時代になりつつある

芥川賞 ゾンビ回収婦 小砂川チト

芥川賞 ゾンビ回収婦 小砂川チト
今年の芥川賞受賞作だというので読んでみた
AIのせいで失業した夫婦
夫は「もう働かなくていい時代が来た」とかで演奏旅行と称して出奔してしまい、残された妻は仕事がなく終日膝を抱えてソファで過ごす。夫の部屋にあったヘッドセットをかぶってみたらVRゲームの世界が始まり(当節はやりの転生物らしい)、ゾンビを撃ち殺すゲームの世界にはまり込む。
その世界での彼女の役割は砕け散ったゾンビの死骸をかき集め捨て、舞台となっているホテルの中の清掃をする事。仕事はホテルの支配人の指示の元行っているが、支配人からの感謝の言葉はひとつもなく、認められない虚しさが彼女のメンタルを傷つける。

物語の展開のテンポは早く、まるでゲームをやらされているかのようだ
話として面白かったか?と聞かれたら、そうでもなかったとしか答えようがない
芥川賞ってそんなもの?

「会社に私という存在の全てを明け渡してしまっていた」という妻のセリフがあった
失業した結果、誰からも必要とされなくなる
社会と繋がって生きる意味を見つけている人間という生き物にとって、職がない、という立場はキツイ、という事か

この小説でNPC(Non-Player Character)という言葉を初めて知った
ゲームの中でプレイやにより操作される事のなく、プログラムにより勝手に動くキャラクターのようだ
人の仕事がAIのアルゴリズムによって指示される状況がすでにあるそうな
現実の世界においてもNPCのような役割の仕事しか与えられていない職業もあるということか

AIで仕事を奪われる未来を想像させる小説ではあった