読書

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?

山本 一成 著 最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質2029年に訪れるシンギュラリティ、人工知能AIが人間の知恵を超え自ら学習し、人はAIに教えをこう日が来るという。ディープラーニングのなんたるかを知らずとも誕生して…

「成功のコンセプト」から引用

未来は不確定だ。明日何が起きるかは誰にも分からない。それは、この世に存在しているあらゆるものが変化し続けているからだ。 昔の人はその真理を、無情という言葉で表現した。僕はそのことを、1995年に起きた阪神淡路大震災で深く悟らされた。人生は一度し…

「騎士団長殺し」を手には入れたけど…

この日記を書き始めてから今月で10年になった 古い日記には、当時のマイミクさん達とのやりとりが事細かく記載されていて読み返すとその頃の記憶が蘇りとても懐かしい気持ちになる。 既に多くのマイミクさん達は他のSNSに引っ越しされていて、寂しいような気…

ノーベル文学賞って、なに?

先週ボブ・ディランのノーベル文学賞が話題に、と同時に、ノミネートNo.1だった村上春樹氏が取れなかった事を残念がる声が多かったと。 受賞者を決めている委員達は平均年齢70近い有識者達なのだとか。かつて文学賞を取った作家達は、その生い立ちの苦労話や…

雑談もひとつの力と認められる昨今

「超一流の雑談力」とかって本の広告が車窓に貼ってあって、埼玉の北の方で起きた事故の影響で混雑し、身動きもできない、横浜から都心へ向かう通勤電車の中では、片手でスマホをあやつる事もままならず、雑談力とはなんぞや?と思考する事くらいしか出来る…

村上春樹の新刊本『職業としての小説家』

IoT、ディープラーニング、最新のテクノロジーが我々の生活にどんな変革をもたらすのか?きっとキンさんなら興味をもつと思うよとマイミクさんに勧められた本『未来に先回りする思考法 』を探しに丸の内のオアゾに立ち寄った 一階のフロアで目的の本はすぐ見…

「ナグネ」最相葉月著。隣の国の事を知りたいあなたのために

ノンフィクションライター最相葉月著。 西武新宿線ホームで偶然知り合った中国人女性具恩恵、彼女を通じて知り得た中国朝鮮族の歴史。 中国人の9割は漢族で、という事はなんとなく知ってはいたけど、日本による韓国併合後、中国東北部満州に140万人もの朝鮮…

スクラップ・アンド・ビルド 芥川賞受賞作書評二冊目

「火花」に比べ、主題が「介護」と自分も関心があるテーマだったので、「スクラップ・アンド・ビルド」の方が面白かった 介護が必要な祖父と母と主人公健斗の三人ぐらし 肉体的にはさほど悪いところも無いのに母(実の娘)に甘える祖父 介護に苛立つ母のきつ…

芥川賞受賞作「火花」とイタリアびいきの塩野七生

芥川賞受賞作「火花」感想文 又吉直樹という芸人の名前は知ってはいたけど、どんな漫才をやるのかは記憶に無い。お笑い番組を見ないから、というよりあまりにも次々と新しい芸人が登場するので覚えられないからと言ったほうが正しいか。 かつて漫才がブーム…

平和な今のままがいいのだけど… 「東京プリズン(赤坂 真理著)」

今年は戦後70年、国会では安保関連条約が審議され、集団的安全保障という聞き慣れる言葉が話題になっている 赤坂真理という同世代の作家の紙面に載ってたコメントに興味を覚え、彼女の著書「東京プリズン」を読んでみた 学校で教わる日本史がなぜ近現代史の…

ランチを共にするのは普段は同じ職場の同僚。

先週ふと交わされる会話を傍から観察してみたくなって、聞き役に回って会話に加わる頻度を下げてみた。 仕事で繋がっている男同士の会話は、効率が正義で、話題が食堂のご飯の炊き方であるにせよ、政治経済であるにせよ、その底流にはいかに上手く仕事を進ま…

『日本人を考える』民俗学と呼ばれるエッセイ

文明の衝突の中で、日本文明が世界の中で八大文明のひとつにカウントされていた事に刺激を受け、日本の文化について考えてみたくなった 宮本常一という民俗学者の著書を二冊ほど読んだので、その読後感想文をまとめておきたい 『日本人を考える』 『なつかし…

内田樹著『街場の共同体論』

文明の衝突は読み応えのあるボリュームだったので、少し肩の力を抜きたくて内田樹著『街場の共同体論』 内田氏が一貫して主張しているのは、アングロサクソン的な信賞必罰に頼った社会は住みにくいから、昭和の時代の隣近所が関わりあって、困り事を片付けて…

「貝と羊の中国人」、隣国の歴史を大雑把に分かった気になる本

普通選挙の導入に伴い指名委員会による候補者の選別という制度に反対する香港での大規模なデモが報道されている。民主主義を導入せず開発独裁を続ける中国、そんな中国への関心もあって、父が勧めた「貝と羊の中国人」という本を興味深く読んだ。 著者は漢字…

「日本人はどう住まうべきか?」都市と田舎と、震災後の日本の風景

「日本人はどう住まうべきか?」 養老孟司と隈研吾の対談集養老先生の甘ったれるな中年、「自分は何のために生きているのか」そのおカネをどう使いたいのかが、まずあるべきだと。という日経の記事に触発されて、そう言えば、養老先生と隈研吾の対談集が面白…

心の井戸を枯らさぬために

人に差し上げるのに相応しい何かお勧めの本はないだろうかと思案して、思いつく処がなく、自分のmixiの古い日記を読み返しながら記憶をたどる。以前は読み終えた本の感想を書きながら、考えをまとめる、そんな生活ができていたのに。最近読書していななぁ、…

続編、読後感想文「芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかった」

この問いに対する答え、実はうまく読み取れなかったただ、漱石をはじめ、明治維新以降の近代化の過程で、日本が「父」の存在をどうテーマとして扱うか、それが小説にとっての主要なテーマであった、という事はなんとなく分かった。「父」というのは言うまで…

読前感想文 芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったか?

『芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったか』―擬態するニッポンの小説 (幻冬舎新書) [新書] 市川 真人 著1. 「坊ちゃん」は誰とくっつくのか? 2. 私たちはなぜ「メロス」に感動したような記憶があるのか 3. 芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったかこの…

言葉なんか覚えるんじゃなかった

2011年12月04日12:34帰途<田村隆一>言葉なんかおぼえるんじゃなかった 言葉のない世界 意味が意味にならない世界に生きてたら どんなによかったか - 今年から新人社員教育のお手伝いをする事となり、今年の講義の反省をまとめながら、来年のカリキュラムを…

ひさびさの勝間本

「まじめの罠」という勝間さんの本を読んでいたら、中学校の時、国語の時間に「要領がいいのは、悪い事か、いい事か」というテーマで議論したのを思い出した。あの時は、 要領がいい人は、知らぬ間に他人に迷惑をかけている そもそも要領という言葉の定義を…

芥川賞受賞に期待した『苦役列車』だったけど…

芥川龍之介という名前は誰でも知っているだろうし、彼にちなんだ芥川賞を受賞するくらいだから、どれほどの作品か、と期待して読んだ『苦役列車』。 なんですか、これ? ただの日記じゃない。 私小説という自分自身の生活体験を小説として描くというカテゴリ…

家族のにおい

村上春樹の小説で、「食」と「家族」についての印象的な描写がある、という僕のtwitterに、極東ブログのfinalventさんから付いた(ツィッター)コメント「春樹さんの小説は家族のにおいがない。」 うまい指摘だなと思う、この短い文章の中にこめられた意味を…

新潮社の季刊誌『考える人』に掲載されてた村上春樹のロングインタビュー

『1Q84』Book1とBook2はかなり面白くて、昨年の日記にも直接その本の内容には触れなかったけど、その物語に影響されて感じたことを10日も続けて書いてしまった。さて、その続編のBook3はどうかというと? 読み終えたのだが、印象が薄いBook1 Book2 で広げた…

つぶやき書評

超訳 ニーチェの言葉作者: 白取春彦出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン発売日: 2010/01/12メディア: ペーパーバック購入: 26人 クリック: 557回この商品を含むブログ (168件) を見る座右のニーチェ (光文社新書)作者: 齋藤孝出版社/メーカー…

40歳は人生のひとつの節目だったと振り返って思う人に

40 翼ふたたび (講談社文庫)作者: 石田衣良出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/02/13メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 30回この商品を含むブログ (41件) を見る人生終わりと思っていたら、40歳が始まりだった。石田衣良。 という本の帯の言葉にひかれて…

変化をしないのが最大のリスク

勝間和代さんの新著「やればできる」に書かれていた言葉。 仕事に就いて十年位して後、そこそこ成果も出ていて、仕事への自信も持ち始めていた頃、自分のやり方で結果に繋がらないのは、周囲が、会社が、悪いのだと思っていた。その時気が付いた、変わらない…

筆談ホステス 67の愛言葉

筆談ホステス 67の愛言葉 (青森一の不良娘が銀座の夜にはぐくんだ魔法の話術)作者: 斉藤里恵出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/09/18メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 10人 クリック: 237回この商品を含むブログ (15件) を見る 「隣に誰かがいるだ…

「今を生きる」

前回のブログでは、趣味の無い仕事人間の定年後、どうするんだろう、などという事をつらつらと、自分の将来とも重ね合わせて考えてみた。でも、そんな事より、今出来ること、今でければ出来ない事、仕事、家族、それをよく考えておかなきゃなぁ。定年後にで…

一所懸命 『八人との対話』の続き

ここ、2、3日、暑さが和らいでいるようですね 薄着で出勤して電車の中でくしゃみをしたり、付けっぱなしのエアコンで寝冷えしたり、してる人はいませんか。この冬アメリカでの新型インフルエンザによる死亡者は9万人と予測されているようです。気をつけま…

農奴から始まった日本国民の歴史

司馬遼太郎の『八人との対話』を読んでいる 山本七平との対話の中で、日本という国の始まりは古墳時代の律令政治だろうという司馬さんの指摘がある。日本人は自農として生活をする歴史を持つ前に、豪農から鍬を借りて農作業をし、その日の作業を終えたら鍬を…