つぶやき書評

超訳 ニーチェの言葉

超訳 ニーチェの言葉

座右のニーチェ (光文社新書)

座右のニーチェ (光文社新書)

超訳ニーチェの言葉』は項目数が多すぎて冗長な印象、事例を上げて著者なりの視点でポイントを絞って解説している齋藤孝著『座右のニーチェ』がお奨め。嫉妬を嫌い、自分を愛することを勧め、楽しまない事が原罪といい、憧れの矢となれと説いたニーチェのポジティブ思考、共感できる。

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人生に効く漱石の言葉 (新潮選書)

人生に効く漱石の言葉 (新潮選書)

木原武一著『人生に効く漱石の言葉』は漱石本のガイドブックとして良書。漱石の作品から印象的な文章を取り上げ、それぞれを解説している。現代人の抱える悩みの多くはすでに明治の時代に語られていた事に驚いた。

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幸せ上手

幸せ上手

文学として語られるべきは漱石の時代に網羅されていて、現代の流行作家の役割は書店の売上を支えるために読者に迎合したコンテンツを作ることにある。だからページ数を稼ぐために大きな文字が好まれるのか。「幸せ上手」渡辺淳一著を見て思ったこと。

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異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

無意味な死を意味付けようとするシステムに抵抗して、「無意味な死は無意味である」と言い続けて死刑となった青年の物語。カミュの「異邦人」。だってさ。もう一度読み直してみようかな。でも日本語訳が酷くて読みづらい。

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アンダーグラウンド (講談社文庫)

アンダーグラウンド (講談社文庫)

『アンダーグランド』に書かれていたオウム真理教の被害者ひとりひとりについての記事は、あの事件がとっても身近で起きた事を改めて教えてくれたし、加害者達もまた、私達と同じ側にいるという事を知らされた。そして、そのテーマは『1Q84』に受け継がれている。

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ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫)

ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫)

『ためらいの倫理学―戦争・性・物語』 内田樹著。読み始めた。戦争に対するあいまいな態度とか、慰安婦問題は事実の有無を検察のように疑うより記憶を共有している人達に思いをはせるべきとか、う〜ん、たしかに斬新なモノのみかただ。


『ためらいの倫理学内田樹著。大岡昇平が『レイテ戦記』で試みたのは、浄化され匿名化された英霊を「顔を持った兵士」として描き戦場の事実を記録する事であったという。という記述を読んで村上春樹の『アンダーグランド』を思い出したら、その後の章で触れていた。

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こころ (新潮文庫)

こころ (新潮文庫)

「どんな人があっても私ほど先生を幸福にできるものはないとまで思い込んでいますわ。それだからこうして落ち付いていられるんです」漱石の『こころ』から抜粋。たったこれだけの文章に込められた深い意味を思う。