キム・ヨナのメダル受賞と民族&国家

バンクーバーオリンピックキム・ヨナが金メダル受賞のインタビューを流暢な英語で受け答えするのをみながら、なぜ彼女は母国語で話さないのだろう、と少なからず違和感を覚えた。高得点の瞬間も思わず、オーマイガットと言ったというし、幼少の頃から米国でフィギュアスケートを習っていたのだろうか、韓国の人達にとって、英語で受け答えする事は自然な事であって、違和感を感じるような事ではないのかな、などと思っていた。

今日のアエラでは姜 尚中(カンサンジュン)がフィギュアスケート長洲未来と川口 悠子とを取り上げていて、日本人も米国やロシアの代表として外国で活躍する選手が出てきて、国籍にとらわれず、多様化が進むのはいいことだと書いている記事を目にした。

日本人にとっては、日本に住み日本語を話すのが日本人と思っている人が多分大多数で、もちろん、海外で暮らす日本人はいるものの、日系人という言葉はあっても、在米日本人という言葉は聞かないのは、そういうことなのかなと思う。仕事で赴任していたって、駐在員という言い方をするのは、いつかは母国に帰るからというニュアンスに取れる。

四年後のオリンピックで金メダルを取った浅田真央が英語でスラスラとインタビューに答える事はたぶん無いだろうし、たとえ英語ができたとしても日本語で答えて欲しいなと思うのは、自分が島国根性の抜けない日本民族だからかな。たかが言葉と割り切れないほどに日本民族と日本語とは密接につながっている。

日本人として日本語の表現を大切にしたいと思うと同時に、民族とは?国家とは?という考え方には多様な定義があるのだよな、という事は忘れずにいたいもの…