「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」

参加者同士が騙し合い、相手を出しぬくことで賞金を獲得するゲーム、ライアーゲーム、その最終章「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」を映画館で観てきた。

大人の立場からすると子供たちには見せたくないなぁと顔をしかめたくなるような人間不信におちいりそうな映画、観客のほとんどが中高生、子供たちの置かれてる環境は大人達が知らないだけで、もっとシリアスなのかも知れない。数年前に『女王の教室』という小学生のいじめを扱ったドラマが話題になったけど、あれもずいぶんと深刻な内容だったのに、視聴者の多くは子供たちだったっけ。

ゲームの仕組みは全員が協力すれば、誰もが賞金を獲得できるのに、実際にはより多くの取り分が欲しくて相手を裏切り、自分に都合の良い選択をしてしまう。「囚人のジレンマ」というゲーム理論を思い出させるストーリ展開。

人間の欲望をあからさまに描いた映画ともいえるが、松田翔太演じる天才詐欺師秋山が繰り出すあの手この手の策謀と謎解きは、見ていて面白い、でも、難しすぎて容易には納得できなかったけど。

主人公の戸田恵梨香は『デスノート』で見たのが初めてで、少女のようなあどけなさを残しながら、どこか女優としてのしたたかさも感じさせる不思議な子。松田翔太は見る度に、「なんじゃこりゃ〜」の台詞を残して殉職したジーパン刑事を演じた父優作を思い出してしまう。遺作となった『ブラックレイン』の撮影の時にはすでにガンに侵されていたのに、それを隠して演じていた逸話とともに。

映画のラストはこのゲームの仕掛け人の思惑が暴かれて終わった。ネタバレなので、多くは語れないけど、人を信じること、その意義をあらためて確認するような物語のしめでした。