「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」

2チャンネル管理人西村博之氏の本、著作というかインタビュー記事を本にしたもの。欲しい情報(Signal)より無意味な書き込み(Noise)の方が多くてS/Nの悪い2ちゃんねるは最近自分はアクセスしなくなった。ひろゆき氏の名前は知っていたが、2ちゃんねるへの興味も失ったこともあり、この本は読まずにいたのだが、ある人のコメント&日記を拝見して、手にとって見た。

梅田望夫氏の「ウェブ進化論」はネットの世界で今起きていることを知る上では参考になる本だが、プログラマでありかつサイト管理の経験者でもあるひろゆき氏の話はもっと現実的でインターネット技術の進化についても懐疑的だ。「ウェブ進化論」を読んだ人にはひろゆき氏のこの本も同時に読むことをお勧めする。

ひろゆき氏によれば、Googlemixiもやっていることは既存技術の組合せで秀でているのはブランドの構築力(企画力や営業力も含め)だという。web2.0というのも単なるキャッチーなコピーにすぎず、投資家からお金を集めたIT企業はサーバーの増強位にしかお金を使う道がなく、株価維持のため新規産業に次々と参入せざるをえず、結果的には金融業に手を染めることになると。

ひろゆき氏がなぜ逮捕されないのかとか賠償金をなぜ払わなくてもすむのかとか彼自身の体験に基づいた話も面白く、その点もネットで情報を収集して著作にしている梅田氏(意図的に実験としてやっている本人も言っていたが)の話より説得力があった。

この本を読んで怪しい2ちゃんねるの管理人というひろゆき氏のイメージは全く変わったし、インターネットの進化にたいしてもちょっと腰を落ち着けて考えてみる必要があるなと思い出した。