新人類と呼ばれた世代の原体験

梅田望夫茂木健一郎共著『フューチャリスト宣言』という本を読み始めていて、この本の「はじめに」の中でに茂木健一郎が面白い事を書いていた。

彼は子供の頃のアポロの月面着陸(1969年)を覚えていて、その原体験が未来に対する楽観的な見方を培ったと指摘する。彼も含む1960年代前半に生まれ、かつて新人類とも呼ばれたこの世代の人達にとって、子供の頃のSFアニメが描く、宇宙や未来は希望に満ちて、21世紀という言葉にはある種の憧憬すらあった。車は空を飛び、月旅行、は既に実現しているはずだった。

偶然ではあるが、最近読んだ本の作者は、斉藤孝、梅田望夫茂木健一郎池田晶子、と殆どこの世代の作家ばかりで、シニカルな批評文の池田でさえ、未来に対しては楽観的な見方をしているように思える。この世代に共通するオプティミスティックな明るさ、軽快さ、というのがあるのだろうか。

梅田望夫に対してはネットの危うさを伝えていないということで批判的な見方もあるようだが、彼の意見には同意できる点が多い、リアルな場での人との繋がりを損なう事無く上手にネットと接する事ができればインターネットを介してやれる事はまだ広がっていくだろう。