暖かいより、花粉の飛ばない冬のほうがまし

カンヌ映画祭でも話題になったし、河瀬監督はじめ出演者の出身も撮影場所も奈良、ということで話題になった映画、山間のグループホームで暮らす認知症の老人と幼い我が子を自分の不注意で失った女性看護士との物語

現実の老人ホームでは認知症で徘徊してしまう老人は軟禁してしまうという話も聞くし、この映画のように、駆け出してしまった認知症の老人を追って、山中に奥深く介護士が追っかけていって、一昼夜を明かす、なんてことは起きえないとは思うのだけど

この映画では、妻に先立たれ、33回忌を迎えたこの老人は山に眠る妻の墓を捜し求めて、介護士とともに、川を超え、嵐で雨に打たれながらも、森の奥深く分け入っていく

墓の前の土を掘り起こし、33年分の日記を抱えて、「土が気持ちいい」と恍惚とした表情で掘り起こされた穴に横たわる老人、小さなオルゴールを回しながら老人を見守る看護士が涙を流しながら青空を見上げる場面で、この映画は終わった

真夏の森の中、風に吹かれ、木々が揺らめくさまが美しい
ゆったりと時間の流れる静かな映画


と、ここまで映画を褒めておきながら、今、見るのはお勧めできない、特に花粉症のあなたには。だって、杉だらけの夏山は美しくはあるが、いかにも花粉を撒き散らしているかのようにも見えるから。どうも昨日この映画を見て、花粉症が誘発された気がする…

三日ほど前から花粉が飛んでいる模様、今日も終日、ティッシュがお友達