ウィークエンド シアター MIST

ミスト [DVD]

ミスト [DVD]

結末は、おもいっきり裏切られました
という意味で、サプライズのあった映画、そのオチは無いだろう…

ストーリはアメリカの田舎町全体が突如霧で覆われ、霧の中に潜む怪物から逃れるためスーパーマーケットに閉じ込められた住人達、異次元から来た怪物が次々と彼らを襲うというホラーサスペンス映画。
怪物の登場をこの世の終わり、最後の審判の時が訪れた、中絶や自然破壊や神への冒涜がこの事態を招いたと叫ぶ狂人がいつのまにか神の言葉を話す預言者になってしまう。
R-15に指定されている位で残虐な場面も多いのだが、なにが怖いって、恐怖にかられて、預言者を自認する扇動者に従って、同じ住人のひとりを生贄として怪物に奉げてしまう人々、それを描いたリアリティに悪寒がした。人間は何をしでかすか分からない、だから、政府と宗教が必要なんだという言葉も印象深い、この手の映画を鑑賞する上では宗教(ユダヤ教キリスト教)の知識があると理解がはかどる。

ブログのレビューなんかを読むと、最近のアメリカではこの手の自分達が傲慢であったことに対する反省映画(イラクでの戦争の後遺症?)が多くなっているらしくて、この映画もそのひとつなのだとか。原作と異なるラストシーンは原作者のスティーブン・キングも感心したほど。

ネタばれになるので、多くは書けないけど、最後は、ああ、そこに頼ってしまうんですね、アメリカは。
この国の正義はやはり『力』なのだと思った。