ガイアの夜明け 有隣堂の挑戦

日比谷ミッドタウンに年間の営業利益の半分に相当する資金を投じて出店した有隣堂
横浜市民にとっては馴染みの深い書店、本を購入する際、レジで何種類もあるブックカバーの中からお気に入りの色を選択する、そんなささやかな楽しみを提供してくれているお店。
書籍売上事業は毎年赤字、創業して100年を超え同族経営の社長は6代目、その社長の40代の息子でもある専務が、書店の現状に危機感を覚え、クリエイティブディレクターの南貴之氏に売り場作りを全面的に任せた。

ヒビヤセントラルマーケットと名付けられたその場所には、高級メガネ点、レトロな理容店、居酒屋、アパレル雑貨店、等から構成され、出店者による選書が並ぶ一角だけが、そこが有隣堂の提供である事を思わせる。
コンセプトはふらっと立ち寄って何か面白い物が見つかるような場所にしたいのだという。

本屋に立ち寄る
その楽しみは、ふと手にとってページをめくって、新しい知識や刺激に出会う事、本屋という仕事を新たな刺激との出会いと定義すれば、日比谷ミッドタウンへの出店は新たな書店の役割の再定義となるのかも知れない。

番組では、コンセプト説明会が有隣堂の重役会議で発表されている場面を流していて、社長はひとこと、よう分からん、担当の専務は南さんと心中すると、その決意を述べていた。

4月度の売上は4000万円と計画を達成したらしい

さて、この試み、書店の新たな道を開くいちページとなるのか、それとも著名ディレクターの道楽として終わるのか

その行く先を見守っておきたいと思う

あくなき効率を追い求め、走り抜けるコンビニ

甘いの辛いの色々あって、その真っ白なパッケージを手に取り裏側を見ると、湖池屋東鳩と子供の頃、TVCMで馴染んだ会社の名前が並んでいる
お菓子メーカにとって、広告せずとも大量に買い付けてくれるコンビニ大手はお得意様
パッケージデザインに頭ひねる必要はないし、もしかしたら工場にファミマのトラックが横付けして運んでくれたら物流だってお任せだ。
安くて良い物が安全に手に入って、お店もお客もハッピー

いっけん、いいことづく目に見えるけど、お菓子メーカは新商品の開発に力を入れなくなるだろう。古いおじさん達は、湖池屋東ハトという名前は知っていても、今の子供達は知りやしない。ブランドが失われ、作りてのやりがいがなくなったら新しい商品なんて生まれない

パッケージ裏面の製造所を見ると今は各メーカで作られているようだけど、物流の都合でそのうち製造場所は集約される。お菓子だから海外での生産に至るかどうかは不明だけど、今の電機製品はどれも中国製

コンビニ小売支配はますます進む

先日、ふと思い立ち、コンビニでチリ産白ワインを買った
600円也と安いけど美味かった
フランス産というだけで高く売りつけていたビジネスモデルは崩壊か

ワインの良し悪しを語るほどの酒豪でもない自分のような消費者にとってコンビニ定番商品で納得いく味なら文句なし。獺祭だって置いてあるし、お酒もコンビニ支配が定番商品への集約を促したりするかも知れない。

売れ筋商品が即座に分かるコンビニという巨大なシステムは在庫という無駄をなくし、極限まで効率を高めていく

でも、顧客がまだ気がついていない価値のある商品は、そんなシステムから得られる情報からは生まれない

作りての遊び心と熱い思いが滲み出る
そんなワクワクする商品はどこから生まれてくるのだろう?

ノーベル平和賞授賞式での被爆者演説

会社がインターネットで利用可能な新しい会議クラウドサービスを導入しはじめた。
使い方やトレーニングがネット上のサイトで受けられるようになっている。

サイトにアクセスしてみると説明用の言語が複数選べるようになっていた

イタリア語、ポルトガル語スペイン語、英語、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語、日本

世界中のITを利用する企業はこれらの言語が話されている国に活躍の場があるという事だろう

これらの言語が利用されるようになった歴史を振り返ると
ローマ帝国、大海洋時代、産業革命フランス帝国第三帝国大日本帝国、等、その時代時代で覇権を握り、あるいは握ろうとし敗れた歴史が脳裏に浮かぶ
ロシア帝国が入っていないのはIT企業が少ないということか。帝国としての歴史はなくてもIT先進国韓国語には対応されている。

使う文字はアルファベット、漢字、ハングル、ひらがな

大学の授業が母国語で成り立つのは日本だけで、それは明治維新の時の先人たちが外国語の文献を日本語に翻訳してきた積み重ねの歴史のおかげときいたことがある

明治維新の富国強兵策がなく日本が植民地となっていたのなら、今私達がつかっている文字も言葉も違った言語、例えば英語になっていたのかも知れない。

言葉は民族の絆

第二次世界大戦後、イスラエルという国が作られヘブライ語公用語とされた。それまでのユダヤ民族は、フランス系とドイツ系とでは異なる言葉で話していて、イスラエルに結集したユダヤ民族のアイデンティティーを呼び起こすために必要だったのだろう

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今日のノーベル賞授賞式では広島で被爆されたサーロー 節子さんが被爆者としては初めて演説されるという。多くの被爆者が広島や長崎にいるのに、その声が世界に伝わらなかったのに英語で話す彼女の演説は核兵器禁止条約に際し多くの国の代表の気持ちを動かしたという。

言葉が違うと心は伝わらない。加害者は被害者の痛みに気がつくことはない。言語の違う国同士の戦争が悲惨な結果をもたらす

ノーベル文学賞カズオ・イシグロに送られるという
日本で無名だし、演説も日本語ではなく英語でしているので彼の母国への想いを理解するのは難しそうだ
言葉の違う人間を日本人は同胞だと認めないだろう

異なる言語を使いながら民族としてのアイデンティティーを2000年以上も維持し続けたユダヤ

言語と民族としてのアイデンティティーについて、まとまりのない想いを綴ってみた。

不揃のみかん達

11月の中頃、前日の雨が上がり、晴れ渡った青空を背に冠雪した富士山を右手にとらえながら新東名を西へ向かった
昨年定年を迎え故郷の三ヶ日で親のみかん畑を継いだ友人夫妻と会うために

約100本のみかんの木があるその畑でみかん狩りをしないかとのお誘いを受けた
小学生の頃、遠足でもいだ湯河原のみかんは酸っぱくって美味しくなかった。あの時は、熟して地面に落ちたのを選ぶといいよと大人から聞いた
とんでも無い大嘘だ

友人の話では、みかんは木によって味が少し違うので、一個もいで食べて美味しかったら、その木の実を収穫するといいよとの事
木によって味に違いはあったものの、どの木のみかんもとても美味しかった

みかん狩りって、楽しいんだ、という事をこの歳になって初めて知った

4箱、総量40kgのみかんをもぎ取り、友人から格安の値段で買い取り、あまりにも多いのでご近所におすそ分けした。あれから数週間経つものの、まだ食べ尽くせずにいる

傷もあるし形も不揃いでお店に並べるには難がありそうだけど、その味はどなたからも絶賛だ

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定年後、農業という話は時々耳にする

友人夫婦は互いの郷里が同じという事もあり、月に何度か三ヶ日まで足を運んで農業を楽しんでいるらしい

楽しそうでいいね、と言ったら、収穫は楽だし楽しい、でも真夏の薬剤散布が過酷だとのこと。山肌の足場の悪い畑で頭からポンチョのような物をかぶって薬を撒くらしい。下草刈りもあるし、摘果もしないと美味しいくならないらしい

東側に面したなだらかな山肌にある畑
目の前には浜名湖が拡がり、ただただ湖を眺めているだけでも清々しい

奥様がおっしゃるには三ヶ日は横浜より、ずっと温かいのだとか

その温暖な気候だけでなく、自分が生まれ育った郷里の持つ暖かさ
なつかしい同級生や親戚や、そんな旧知の人々との交わりが、なおいっそう、その土地を温かく感じさせていたのだろう

人口知能AIがもたらす未来

昨晩テレビ東京にチャンネルを合わせたら、AIを特集した未来世紀ジパングに、日記に書いた本の著者山本一成さんが登場していた。
奇遇である

番組の中では将棋のAIソフトだけでなく、米国の警察でAIを導入して犯罪を減らしたり、従業員の健康管理にAIを応用している事例が紹介されていた。

カリフォルニアの警察では、地域のパトロール場所をAIにより犯罪発生率を計算した後決めている。車上狙い、ドラッグ、150mm四方で区切られたどの場所で今日犯罪が起きそうかを予知してくれる。このAI導入後犯罪が2割減ったという

従業員の健康管理AIは日本の食品製造会社での導入事例

毎朝、従業員は会社に備えらたカメラで写真を撮る。その表情をAIが画像解析をして、晴れ晴れとした気分か沈んだ気分かを数値化して提示する。その判定結果は人事部に届くようになっていて、疲れや沈んだ気分の社員へのサポートを人事と上長とで共に行うようになっている。

自動運転の画像解析用の半導体チップ開発会社として一躍有名になったのはトヨタとの提携で話題となったエヌビディアだ。コンピュータの特にゲーム用の画像処理半導体の会社としてその分野ではNo.1のエヌビディア。3D画像を高速で作り、描画する、その信号処理の速度の速さが、自動運転で欠かせない高速画像処理に生かされるという事だろう。

渋谷のスクランブル交差点を歩く人達を瞬時に一人ひとり判別するデモが番組で紹介されていたが、その精度はたしかに、凄いものだと思う。

AIは人の仕事を奪うだろうか?

沢山の事例を知っている事が仕事をする上で欠かせない医師や弁護士といった領域では大量の情報を瞬時に処理できるAIは活躍の場があるだろう。

感情が入らない分、正確に判断できるはずだ

公平で、誤りなく、私欲もない、人工知能AI。

好むと好まざるに関わらず、私たちは人工知能の存在を無視できなくなると思う

知的な行動は「探索」と「評価」の2つを駆使している

探索とは未来を予測すること。評価とは予測された事象の確率を求めること
この評価の値をコンピューターに自動的にやらせるのが機械学習
機械学習のためには大量のデータが必要。
ネットの画像と文章を学習する事で画像にタグ付けするための情報が得られる
黒人の写真をゴリラと判別してしまったのはネット上にそのような情報があったから

黒魔術とディープラーニング

機械学習の様々手法
SVM、ロジスティック回帰、ディープラーニング、ランダムフォレスト
ドロップアウトによりディープラーニング過学習を防ぐ
言葉、音声、画像が応用先
マルチモダール  画像を入力して適切な説明文を出力するとか
言語の処理も画像として行なう
言語であれ何であれ、画像と結びつけるとディープラーニングの得意な対象となり人間を越えてしまえる
還元主義的な科学からの卒業、細部の構造を理解していけば全体を理解できる
人工知能の開発においては、必ず大量のデータが必要になる。最初は「教師あり学習』その後「強化学習」に移る
モンテカルロ囲碁、ランダムな場所に石を打ち勝率を予測する。学習を重ねる事で確率が上がる。
アルファ碁が示したのは囲碁は画像だったということ
プロ棋士達がアルファ碁の真似をしだした。意味もわからず。科学が宗教になった瞬間

知性 目的を設計できる能力
知能 目的に向かう道を探す能力

シンギュラリティの提唱者レイ・カーツワイル2045年との予想を2029年と早めた

人間の論理力の限界というより言葉で表現することの限界
ディープラーニングとは脳の視覚野の神経回路を模したニューラルネットワークを多層化したもの
アルファ碁はたくさん手を読んでいるのではなく猛烈に勘がいい

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?

山本 一成 著
最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質

2029年に訪れるシンギュラリティ、人工知能AIが人間の知恵を超え自ら学習し、人はAIに教えをこう日が来るという。ディープラーニングのなんたるかを知らずとも誕生して数年でしかないアルファ碁がプロ棋士に勝利した事実は多くの知的労働が計算機に取って代わられる日がそう遠くない事を予感させる。

専門用語を使わずにAIの日進月歩の進化が将棋と囲碁を例にわかりやすく解説されている本

コンピュータに出来る事は単純な計算を高速に実行する事と大量のデータを蓄積する事のふたつ。人間が記述したプログラムにのっとり間違いの無い答えを出すのが取り柄だと思っていた。

2016年3月グーグルのAI人工知能アルファ碁が韓国の李セドル九段に勝利した事件が話題となった。そのAIの持つ機能がディープラーニングと呼ばれる機械学習
機械学習というのは人が教えなくともコンピュータが過去の棋譜から自ら学ぶ技術。

人が思いつかない手を編み出し、今ではプロ棋士がアルファ碁の技を真似るようにすらなっているのだとか

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アルファ碁は盤上の碁石を画像認識して次の手を考えている
論理的にどの手が良いのかを計算するのではなく、いわば恐ろしく勘がいいAIなのだという

機械に対して勘がいい、と褒めるのも妙なものだが、ディープラーニングという技術には理屈では理解しえない手法が盛り込まれていて、著者はこれを黒魔術と呼んでいる。

このAIを更に強くするためにコンピュータ同士を対戦させて腕を磨くというから、なんだか映画マトリックスを彷彿とさせて気味が悪い。

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ディープラーニングのためには学習用の大量のデータが必要で、ネットに上がる画像や文章を片っ端から入力して機械学習をして画像認識の能力を高めるのだという

昔、ゴリラの写真をグーグルのサーバに画像認識させたら、黒人、という回答が返ってきたのが話題となっていたが、そのような誤認識をしてしまうのはネットにその手の好ましからざる情報が溢れているせいだったらしい。

だから、計算機に正しく知恵をつけてもらうためには、みんなが「いい人」になって乱れた情報をネットに挙げないようにするのがいいと著者はすすめる

シンギュラリティの提唱者レイ・カーツワイル2045年との予想を2029年と早めた。人工知能技術の進化は指数関数的に早まっているのだとか

どんな未来が待ち受けているのやら