無添くら寿司にソムリエはいらない

2011年12月29日16:30

合理的な店舗運営で話題となってる回転寿司屋「無添くら寿司」、どんなお店だろうかと行ってみた。
時間指定の予約はできないが、順番待ちはネットでできるという事なので、まずポチッと順番待ち。「ただいまの待ち人xx人」との表示。

お店に言って気が付いたのだが、順番待ちの人は紙に名前を書くのではなく、電子ボードを名前を打ち込むようになっていて、その情報がネット経由でリアルタイムで見れるようになっている仕組みのようだ。

店で携帯にて取得した順番待ちの番号を告げると、お店のシートに座り順番待ちをしている人を横目に、BOX No.5 のお席へどうぞと、自分で行くよう指示される。

お茶は自分で粉にお湯をかけ、食べ終えたお皿は机にある挿入口に放り込む、皿の枚数は自動的にカウントされるので、かかった費用もすぐわかる。

ベルトに乗った皿の上の寿司には全て透明なケースがかぶさっているので、衛生的だし、乾燥もしづらい。
好みの寿司がベルト上に無ければ、ポチッとオーダーすれば、頼んだお皿が流れてくる。

値段は一皿全品100円、ネタは新鮮だし、味はまぁまぁ。

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コストを削減しようとすれば、徹底的に人件費を削減する、その仕組みをITを活用して作り上げる、と、こういう話になって、その究極の姿をこの店舗では見る事ができる。

客の回転率を上げようと思うのなら、ベルトのスピードを少し上げるという手もあるのだろうか。なんだか、それっって、流れ作業に従事するラインワーカーと客を同一視しているような気もするけど。

お店の人との接点は、入店時の席の番号の告知とおあいそボタンを押した時に皿の枚数を確認し合う時と、レジでの支払いの時のみ。

入店時の予約コードを携帯でピピッとかざして認証して、支払を食べた机でsuicaedy等の電子マネーですます、というのが次のステップの合理化案か。

かくして、店舗にいるのはトラブル対応のための店長と裏方でシャリにすしネタを乗せる幾人かの調理人だけにできれば、究極の自動化回転寿司店の完成だ。

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かたや、うまいタイミングでグラスにワインを注ぐソムリエのいるサービスの充実したレストランがある一方で、人によるサービスを一切排除した回転寿司屋が共存する日本。

ユニクロだけじゃなく、こんな自動化された店舗運営のノウハウもいづれ、外国に輸出されていくのだろう。

モバイルインターネットと電子マネーを利用したビジネスというのは開拓余地がまだまだありそう。このネットでの予約システムを提供しているのはEPARKというIT企業。待たされるイライラを解消させるこの仕組みは、回転寿司に限らず、広く他業種でも使われていきそうだ。

人の手を介す事がなくなるというのは、まぁ、なんとも味気ないし、仕事が見つからない人がいるのに、なにもそこまで自動化せんでもいいのに、と思わなくもないが。