高解像度だけでいいのかな?

都議会選が終わって豊洲への移転もはっきりした訳だけど、2020年の東京オリンピック用の駐車場確保のために築地の跡地には環状2号線という道路が走り、駐車場としても利用される予定なのだとか。

東京オリンピックに向けては放送業界の周辺では4k,8k放送の開始が予定されていて、多くの家電メーカがテレビからは撤退したものの、生き残った数社にとっては地デジ普及のバブルよもう一度と期待が膨らんでいるのだとか。

BSなんかのフルハイビジョンが2kと呼ばれる方法なので、8kとなると解像度が4倍となって、人の顔なら髪の一本一本が見えてしまう程にクリアで高画質の画像が2020年には放送として送られてくる。

BSでみるなら別のパラボラアンテナが必要で、それは、右旋、左旋、と呼ばれる衛星から送られてくる電波の回転方向が逆だから。ケーブルでも放送はされるのだろうけど、周波数が高くなったり広くなったりと、対応可能な業者とそうでない業者とがあるかも知れない。

テレビも新規購入が必要だけど、まずは電器店の店頭でその画質に触れてみるのがいいだろう。

高画質だ、大画面だと、喜んでいる人は多いけど、居間に50インチの液晶TVを買った経験から思ったのは、確かに初めはその大きさに驚いたものの、最近では、リビングの50インチより寝室の20インチの方がなんだかしっくりきて観ていても疲れない。

そもそもテレビって使っていない時には真っ黒になっているのが当たり前とされているけど、リビングに巨大なブラックホール、四角いけど、ポッカリと空いているのってインテリアとしてどうかなと感じる。

しかも、いまどきリアルタイムで見るよりBDレコーダの録画をぱぱっと早送りしながらストーリを追ったりするので、結果的に番組を観ながら操作するのはひとり、団欒の中心にはテレビがあった、三丁目の夕日の時代は遠い昔。

今時の学生は、大学生や、もしかしたら高校生だって、Netfixで自分の部屋で映画をみている。就学前の児童だってyoutubeで好きな映像を自分で見つける時代だ。

そんな時代に8k放送と言われても、喜んでテレビを買うのは、一人暮らしのお年寄りか、独身貴族しか思い浮かばない。

映像をじっくりと見るならやはり映画館がいいと思う
鑑賞中に誰も声をかけてこないし、うっかりネットサーフという脇道にはまる事もない。

ジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』を映画館で観てたら、ロベール・ドアノーのモノクロ写真を思い出し、優れた映像に触れるには、高解像度技術より作り手のハートが大事だねと思えたし、ひとりで没入できる環境も欠かせないといえるだろう。