AI研究の志の高さ

 NECのプレゼン資料では、これらの技術を、その本質の狙いよりは、社会問題解決という面に矮小化しているきらいもあるが、この4点は、AI、IOTの重要な問題点の指摘である。すなわち、
IoTやビッグデータの利用においては、デジタル化された後はいいが、多くのセンサで得た膨大なアナログデータをいかにデジタル化するのか、
いくつかの分野ではディープラーニングの成果があっても、結局は専門家が目的関数を与え、学習させている場合が多い、
ディープラーニングは大量のビッグデータを処理し、ある閾値に達すればいいが、そこまでいかない過渡的減少、スモールデータでは、どう扱うのか、
大電力を要する現在のアーキテクチャは脳からは程遠く、ある特別解であり、限界が見えている。これは、長年、広い意味でのAI、ニューロコンピュータや量子コンピュータ等も含め、この分野に関わってきたからこそ、指摘できる現在のAIの問題であり、逆にいえば、NECの取組みの志は高い。

「若様のブログ〜辛口アナリストが斬る · 2016年10〜12月」 より