若い人は中国との付き合いを避けては通れない

60万部も売れたというので石原慎太郎の「天才」を書店でパラパラと見てみた
田中角栄の自伝?かと思いきや後書きにはフィクションとの但し書き
実名で人物を描いていながらフィクションです、とはこれ如何に

日中国交を果たした首相が金権疑惑でその座を去りロッキード事件で逮捕されたその日の事は今でも覚えている。中東から石油を日本が自前で輸入しようとして虎の尾を踏んで米国にハメられたという陰謀説は田原総一朗が言い出したらしいのだが、この「天才」にも同様の記述があった。

その陰謀説については、当時の米国がベトナム戦争を終え軍需産業と繋がりのあった諸外国のエージェントとの関係を断ち切ろうとしていてその一環としてのロッキード事件であって、よもや元首相が逮捕されるとは想像すらしていなかったらしく、陰謀説等ありえないとの見解もあるらしい。

田中角栄が提出し成立させた議員立法の数は最多で、演説の巧みさと人心の掌握術も卓越していたらしい。まさに天才と呼ぶにふさわし政治家だったのだろう

その「天才」の横においてあった堀江貴文著「君はどこにでも行ける」

観光バスで銀座の街に乗り付け、?爆買い?する中国人観光客を横目で見た時、僕たちが感じる寂しさの正体は何だろう。アジア諸国の発展の中で、気づけば日本はいつの間にか「安い」国になってしまった。

との、本文からの抜粋が示すように、著者がアジア諸国を巡って、肌で感じた海外の様子が具体的に描かれていて、ぷち海外旅行気分が味わえる

振り返って見れば、2004年に近鉄買収をしかけたライブドアは翌年ニッポン放送の買収を目論見、2006年に逮捕された堀江貴文氏。

あの当時の勢いのまま、政治家あるいは実業家として活躍していたのならば、日本のトランプと呼ばれる大物になっていたのかも知れない。

この二冊を並べて思うこと

田中角栄が中国との国交回復を果たした往時、中国人は人民服を着ていた。そして、今爆買いで日本を訪れる中国人は銀座のようなありきたりな観光地にはもう飽きて、地方都市に行ってもお金を使う中国人観光客を目にする事ができる。

経済規模では既に日本は後塵を拝していて、いづれは10倍程度まで差がつくだろうと大前研一氏は忠告していた。

米国大統領選でのトランプ氏の熱烈な支持のされ方を見ていると、世界での警官としての役割はもう辞め、米国内の雇用問題を優先しTPP中止、いづれ日本から米軍は撤退しアジアへの関心を米国は失うのかもしれない。

その時、日本人は中国とどう付き合うのか?
中国への対抗心を捨てなさいと王毅外相に訪中した岸田外務大臣は言われたらしいけど、かの大国との付き合いは避けては通れない。

20代の若者にとって中国への理解は欠かせないと、ここの所思うのだった。