PC事業の統合のニュースを聞いてTV事業の未来を予想してみた

この日記で、三洋電機の話を以前取り上げた
野中社長、外資系ファンドの登場を経てパナソニックに吸収され社名は消滅した

電機業界の再編は続くと見え、先週は、PC事業での東芝富士通VAIOの統合が検討中と報道された。
PC9801はthinkpadと共にレノボに吸収され、CDROM付きのFMtownsも世界初のノートブックDynabookも紫色のVAIOも既に過去のものになりつつあるのだなとある種感慨を覚える

自分の周りを見渡しても、windowsPCを使うのは業務用に限られていて、タブレットスマホでネットへのアクセスは十分という時代はすでに訪れた

PCメーカはなぜ新しい技術に乗り遅れたのだろうか?

魅力的な商品が登場した時、大企業では、過去の成功体験に固執し既存の組織を維持しようとして新規事業への参入が遅れるという。それをイノベーションのジレンマと呼ぶらしい。

タッチパネルで操作可能なiPhoneが登場した時、それがスマホとして普及し、さらに画面が大きくなりタブレットとしてデファクトになるという事をPCを作る人達は気が付かなかったのだろうか。

たとえ、気がついていたとして、windowsと共に歩んだ道を捨て、アンドロイド端末の開発へシフトするという思い切った決断を内部昇進のサラリーマン経営者では出来なかったという事だろう

電機精密業界に詳しいアナリスト若林秀樹氏によれば、次に急ぐべき再編はテレビだという。東芝ソニー・シャープ、この三社のテレビ事業の統合を提案している

http://www.circle-cross.com/

このテレビ事業の統合の鍵のひとつはアンドロイドOSなのだろうか
ソニーのテレビBRAVIAに乗ったこのOSで、youtubeやneflixといったインターネット上のコンテンツへのアクセスが便利になっているらしい

テレビを見るのにGoogleのアカウントを登録する事になっているらしく、どの番組を見ているのかGoogle様に知られるのもなんだかなぁ〜という気がしなくもない。そうはいってもAndroid端末使っている時点で既に情報は収集されているんだろうと思うと、まぁそんなものかも知れないと開き直らざるを得ないのだろう

テレビを見る時にアカウントを登録する、その事で何が起きるか?

収集された番組閲覧情報から、視聴者の関心を予想する事は容易だから、きっとCMなんかも視聴者に合わせて変わるのだろう。
子供のいる家庭には玩具のCMを、若い女性向けには化粧品のCMを、同じ番組を見ているのに見る人によってCMが差し替えられる、そういう時代が訪れるのだと思う。

それは、例えば、facebookを使っていて、横に出てくる広告がユーザによって異なっているのを見れば分かるように技術的には可能なことだ

見たい番組は視聴者が決め、見せたいCMは送りて側が見る人に合わせて広告する。

家族が揃って居間でテレビを見る、なんてのは、大晦日の紅白くらいのもの
大画面、高画質、を売りにするより、適度な大きさでひとりひとりが好みの映像を楽しむ、おそらく、そんな時代は既に訪れている。

最近は、子供の子守は、親の使いふるしの回線契約の切れたスマホwifiで繋いでyoutubeにお任せというのが便利ですよと共働きの同僚から聞いた。

今の幼児達はすでに自分が見たい番組をひとりで見るのが当たり前になっている。

居間から大画面テレビが消え、家庭のつながりはLINEでのチャットになる(笑)

20年前、インターネットと共に放送は無くなると騒いだ人達がいた
フジテレビが赤字になったとはいえ、今のとこ、放送が無くなるようには見えない

でも、アンドロイドTVのようにネットとの接続が前提となるテレビがじわじわと普及していくと電波免許に守られ番組枠を売る事で事業が成り立つ商業放送は、そのあり方を見直す事になるのかも知れない

おそらく最後にビジネスとして残るのは

優良なコンテンツを作る能力のある製作者
コンテンツサーバから家庭までを繋いで高速に適切な料金で提供できる回線事業者
大量に安価に高品質のテレビを作る製造事業者
テレビを作るために欠かせないキーパーツを作る部品メーカ

と、こんな事になるのだろう