スマートTVとは何か?

インターネットに繋がってyoutubeが見られる、とそんな程度の物では無さそうだ
視聴者の立場からすると、好きなコンテンツ(映画、ドラマ)が好きな時に見られる。BDレコーダのようなストレージ(記録装置)を家に置く必要はなく、ある程度のお金を払って(コンテンツ毎、あるいは月額見放題)、リモコンでサクサクっと見たいコンテンツを探す、そんな感じになりそうだ。

これらを実現する仕組みを作り上げるのに必要なのは、レイヤー構造を持ったエコシステム(生態系)
コンテンツ・レイヤー
アプリケーション・レイヤー
物理・レイヤー
プラットフォーム・レイヤー

物理・レイヤーは何かと言えば、ハードウエアとしてのスマートTV
普通の人が想像するテレビは、地デジ、4k、とそんなキーワードなのだが、表示装置と切り離してSTB(セットトップボックス)を、ここでは物理・レイヤーとして想定している。
そして鍵となるのがリモコン
今までのテレビの付属のリモコンではなく、自分のスマホがそのままリモコンになる、そんな使い方

コンテンツ・レイヤーとは、映画やドラマを制作し売る人達、と考えれば良さそうだ
ここで、鍵となるのがスマートTVというエコシステムでの使い回しに都合よくコンテンツが作られているかどうか?
アプリケーション・レイヤー(ここは後で説明しよう)のコンテンツの配信、レコメンデーション、課金、に柔軟に対応できるかどうか。
要は、ある映画を見ていたら視聴者の好みにあった予告編をその映画に勝手に挟み込んで視聴させる、とそんなサービスを想定しているようだ。

この手のプッシュ型の広告は個人的には不愉快だけど、なるほど、Gmailの内容を解析して広告をpushするというやり方を見ても、広告を打つ側にとっては重宝な仕組みなのだろう

そしてこのアプリケーション・レイヤーなのだが、ここをレイヤーとして規定する発想が新鮮
スマートTVを点けるとアバター(著名人の分身)が登場し、視聴者にこれを見てはいかがでしょうか?と勧めてくる仕組み(レコメンデーション)
まぁ確かに淀川長冶が出てきてオススメの映画を紹介してくれたら面白いかも知れないけど、そのために自分が今まで見てきた映画の感想をビックデータとしてサーバ側に蓄積しなきゃいけない、なんていうのは個人的にはパス。

好きな映画を見つけてくれて、見たらお金を払ってねと課金の仕組みもこのレイヤーに取り込むので、スマートTVの最も重要なプレイヤーと位置づけている

さて、最後に登場するのがプラットフォーム・レイヤー
スマートTVのエコシステム全体を支えるレイヤー
他のレイヤーの繁栄を支える事により自身も繁栄する
他のレイヤーの枠組みを規定するが、規定しすぎて自由度を奪ってはならない
他のレイヤーにコンテンツ配信の仕組み・コンテンツ課金の道具を提供する

なるほど、仕組みを安く提供して後から儲かる世界にたどりつく
その発想は大事だなと改めて感心

レイヤーを規定するという事はプロトコルを決めなきゃいけないという事で、決めたプロトコルを実現する道具を安く提供しつつ、デファクトを握って将来儲かる仕組みを仕込んでおく

あるプラットフォームに乗っかったTVが今年以降登場する
デファクトに乗って素早くビジネスを立ち上げ儲けるのか
コモディティ化の荒波に飲み込まれるのか
5年後10年後に何が誰が生き残っているのか

想像は尽きない