エルピーダ倒産

エルピーダ、と聞かされても何の事?って誰もが思うだろうし、製造会社としては戦後最大の負債総額とか、4年前には政府が300億円融資したとか、その政策に絡んで経済産業省の官僚が株で一儲けしたとかしないとか、経済に詳しい人でないと、聞きなれない会社の名前だと思う。

日立とNEC三菱電機DRAMという半導体を作っていた部署がひとつになってできたのがエルピーダ、という会社。
最先端の半導体を作っているのは、米国のIntelと台湾のTSMCと韓国のサムソン、という三社が代表的で、東芝FLASHとか、DRAMエルピーダとか、この三社に比べると規模は小さいけど特定分野で最先端の半導体を作っていた貴重な日本の会社。

半導体というのは莫大な設備投資を必要としていて、いまや何兆円という投資が必要とも言われている。サムソンも最先端の設備は日本の半導体装置メーカから買っていて、だから、韓国の日本に対しては輸入超過だと聞いたことがある。

半導体装置メーカと半導体製造メーカ、両産業が日本に存在する事で、半導体産業全体としては栄えてきた歴史があるものの今や、その半導体製造メーカが日本から無くなろうとしている。もしかしたら、半導体装置メーカも10年後には日本から消えているのかも知れず、モノづくり、を担う工場は、その姿を消してしまうのかも知れない。

エルピーダがサムソンに敗れたのは、3年で為替で70%ものハンデを負ったからで、技術では負けていなかったというのが坂本社長の弁。為替と政府と一体となった資金調達力に勝る韓国メーカには勝てなかった、というのが、エルピーダ倒産の背景として語られる。

でも、技術では負けていなかった、という言い訳は、所詮はお客の望んでいなかった性能に余計な金をかけて高くて売れなかった、という事を言っているに過ぎない。日本人は優秀だと信じたい気持は分からなくもないが、流暢な英語を話す韓国人技術者は多いし、能力なんて本人の努力次第、国籍で決まるようなものでもない。

月曜日に聞いたエルピーダメモリー倒産のニュースはかなりショック

「Only the Paranoid Survive」
インテル創業者アンドルー・グローヴの言葉が身にしみる


(参考ブログ)
エルピーダメモリ、坂本社長が事業継続と社長続投に意欲を表明
〜20nmでまともに生産できるのはエルピーダともう1社しかない
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120228_515056.html

エルピーダという会社について(前半)三十路官僚のブログ
http://ameblo.jp/ipponseoinosuke/entry-11178325470.html

エルピーダよ、2度目の敗戦を無駄にするな
社長とアナリストが語る「負けた原因」は大間違い
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34668

エルピーダ坂本社長の半生記
https://www.facebook.com/sasaki.toshinao/posts/10150643238447044

竹内健氏が語るエルピーダ倒産の原因
http://togetter.com/li/266922