「巣」が欲しいとは思わなかったの、と彼女は言った

「ひとり?」という僕の問いかけに
「ばついちでも、丸でもないわ、恋愛もしたし、同棲もしたけど、巣を持つ気持になれなかったの」と彼女の言葉。

家に帰って、ひとりで、好きな曲をかけて、どのお酒を飲むのか、思いめぐらすのは楽しいし、パソコンも、この4月から開くのはやめたと。

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ここ数日、自分のネットにアクセスする時のアカウントを整理していて
VIEW suica BIGカメラ ANA Diners edy T-card mixi twitter facebook
とリストにしたら軽く10は超えていた

そして、メールアドレスもいくつもあって、そのアドレスとアカウントが、どう繋がっているのか書き出すと、これが、なかなかややこしい。パスワードもいくつかあって忘れそうになるし。

http.www..
world wide web のwebというのはクモの巣のこと

私達はネットにアクセスする事でクモの巣のように、アンテナをそこかしこに張って、なにか面白い情報はないかしら、便利な事はないかしらと網の目を張り巡らしている

そして網にひかかった物(情報)に引きずられて思考があちらこちらへと分散している

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前述の彼女だけど、もう新聞もやめようかと思っていると言っていた。
「そんなにいろんな事知ってどうするの?」という言葉も印象的だった

最近は「断捨離」という言葉がはやりだそうな
「巣」を持つ事に興味の持てなかった彼女はネットからも離れて、今夜もひとり酒を飲んでいるのか、それとも、友人と町に繰り出しているのか

それは分からないけど、家族という巣はいずれ役割を終えるのだろうし、人生最後はひとりになるしかないのだ

伸ばしすぎた網(web)を整理しなきゃと思っていた矢先に、聞かされた彼女の話が、とても新鮮に響いたので書き留めておこう