ジョブズの退任に寄せて

日記のタイトルだけまず決める。さて、何を書くか。

アップル大好きな友人は大勢いるし、80年代からアップルと付き合ってきた自分も、その過去を振り返りながら、ジョブズの偉大さを振り返ってみたい。

80年代前半、社会人デビューしたての頃、パソコン好きだった上司が、有志をつのって、途中で仕事を切り上げ、当時、渋谷にあったと記憶しているけど、Machintoshを扱っているお店にそのPCを見に行った。あの時展示されていたのはLisaだったかな、数十万円もするPCを買えるのはお金に余裕のあるマニアだった。

あの当時からマウスのボタンは一個だったし、初めてPCの画面でウインドウなるものを目にしたのもMacだった。まだ、マイクロソフトはwindows3.0とかショボイ画面で、日本のメーカはN社のPC98シリーズやF社のFMタウンズなど、各社ばらばらのOSを使っていた時期。IBM PC のDOSVマシンのOS(?)としてMacの操作性をまねたwindows95が、多くのハードウエアメーカを巻き込みながら、事実上のデファクトスタンダードとなっていったのは、その少し後のこと。

それにしても、当時から、ソフトとハードを統合して使う楽しさを提供していたアップル。ソフト(android)とハード(携帯端末)を切り離して、多くのハードウエアメーカを巻き込んでスマホを普及させつつあるGoogle

Microsoft vs AppleGoogle vs Apple となったかのようで、その対立の構図は今も同じにみえる。

一度はアップルを追われ、NeXTやピクサーを経て、アップルに呼び戻されたジョブス。iMacでPCを再建した事は有名だが、やはり、ひとつ彼の偉業を語るとしたらiTunesだろう。

2001年のあの当時、iTunesという開発に数十億もかかっただろうと想像されるソフトを無料でダウンロードさせ、iPodiPhoneに続くヒットにつなげた。

AndroidにはiTunesに匹敵するソフトが無い事を思うと、10年経って、なお使い続けられているiTunesというアプリケーションの先見性にはおそれいるしかない。

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Googleが買収したMotorola mobileという会社はかつては米国を代表するハイテク企業。MicrosoftIntelが手を組み、AppleMotorolaと手を組んでMachintoshという優れたPCを世に送り出していた時代があった事はもう既に忘れ去られているであろう。

半導体から携帯端末まで手掛けていたMotorolaがネットワークサービスを生業とするGoogleに買収されるというのは、歴史の移り変わりを思わせる。日本でいえば、mixiNECを買うようなものか。それとも楽天が日立を買収するようなものか。日立と重工の合併より面白いと思うんだけど。

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さて、ジョブズなき後のアップル。
この秋にはiCloudクラウド上でのサービスを提供しGoogleと対決する姿が予想されるが、巨大なデータセンターを維持するコストに見合うだけの利益(あるいは支持と言い換えた方がよさそうだけど)が、得られるのか。

iTunesのような高い先見性のある投資を誰が決断するのか。
きっと、5年後にはこの業界でのプレーヤは入れ替わっている。

カリスマ無き後の企業の盛衰、さて如何に。