ムバラク政権崩壊とfacebook

エジプトのムバラク政権が崩壊したという。
政治に疎い自分はコメントできるだけの知見は持たない、ただネットのチカラがデモを呼び、結集した人々の思いが30年の長期政権の終わりにつながったというのが印象的だった。

1979年パリに亡命していたいホメイニ師の演説はカセットテープでイランに届けられて短波ラジオを通してその声が人々の元へ届き、白色革命と呼ばれる近代化を進めていたパーレビー国王の失脚へとつながった。
フィリピンでマルコス政権が崩壊した時にはデモ隊によるラジオテレビ放送局の占拠があった。
22年前の東欧革命のきっかけは西欧諸国の衛星放送テレビが、東欧でも受信でき、自らの暮らしの格差に気が付いた民衆の不満がきっかけだったという。

観光が収入の柱のひとつとなっていたエジプトでは911以降、観光客が減り、若年層の失業率が上がり(20%)、失業対策の一貫として産業を起こすために、ムバラク大統領はIT化を推進。秘密警察によるネットの監視はあったものの、twitterfacebookによる情報の伝達スピードは極めて速く、警察の盗聴、監視もおいつかないほどだったとか。
自ら進めたIT化が政権の寿命を縮めたとしたら皮肉な事だが、今の時代、ネットワーク無しに新しい産業を興すことはかなわないのも事実だろう。

というようなコメントを朝のNHKのニュースで聞いていた。
カセットテープ、ラジオ、衛星テレビ、インターネット、技術の進化は大量の情報を瞬時に送る事を実現してしまった。放送局が唯一もっていた特権をネットの住人達が手にした、という意味で今回の革命は記憶に残るだろう。それにしても、twitterfacebookについてのNHKに出演していた人達のコメントがどこかピントがずれていて、おかしかった。彼らはtwitterにもfacebookにもmixiにも登録していないのだろう、きっと。

話題のfacebookにつられて足を運んだ『ソーシャルネットワーク』。主人公の内面をあえて描かず、最後の、フレンド申請のボタンを押し続けるシーンで、その胸のうちを語らせようとしていた、と岡田 斗司夫が解説してたけど、できとしてはまぁまぁかな。出だしの会話を字幕無しで聞き取ろうとしたんだけど、あまりの早口に断念。最近自分の英語のヒアリング能力の低下も気になるところ。

時価総額2.5兆円のfacebookが成功するかどうかは分からないけど、マスコミに変わってネットが大きな力を持ちえた年として後世にムバラク政権崩壊は記憶されるだろうな。

そいうや、昨日は『建国記念日』、その由来を知る人もきっと少ないのだろうけど…