アナログ、デジタル、と聞いて何を思い浮かべますか?

アナログからデジタルへの変換について説明して下さいと言われると、専門家の方々は、「時間に応じて推移するアナログ量を周期的な時間で離散化して、各時間における値を量子化によりゼロとイチで表されるビット列に置き換えること」なんて説明をされるのだが、なんの事か普通は分からない。

CD(コンパクトディスク)を初めて聞いた時、レコードに針を乗せた時の、あの「ザーッ」って音が全くしなかったので、驚いたのがデジタルとの最初の出会い。あの時、単純にデジタルってスゲーッって感動した。まぁ、今や音楽聴くのにCD買うよりネットとかでダウンロードしたりyoutubeでタダ見したりの時代、なので、アナログからデジタルへの驚きより、「ネット」や「クラウド」の方が新鮮な驚きを与えてくれる。

デジタルというのは「ゼロ」と「イチ」、のことなんだよ、というのは聞いた事があるかも知れない。それは例えて言うなら、季節を現すのに四季なんてものを使わずに「夏と冬」、温度を表すのに「暑いと寒い」と二つの言葉で済ませてしまうようなもの。

でも、実際に私達が感じるのは、蒸し暑い 暖かい 涼しい 肌寒い、と何段階かあって、とってもアナログ的なので、その二つだけでは現しきれない。じゃ、デジタルでこれを表現したい時にはどうするか?
暖かい→暑い、暑い、暑い、暑い、寒い
涼しい→暑い、暑い、寒い、寒い、寒い
とこんな感じで、一回だけ「暖かい」と言う代わりに五回「暑い」と「寒い」をその感じた程度に応じて表現する。

のんびりと温度を感じるのじゃなく、頻繁に、暑いか寒いかを感じれば、アナログ的に表現するのと同じじゃない、と、まぁ、そんな理屈。5回感じるのを10倍の50回感じたら、精度は10倍だよね、というのがデジタルテクノロジーの得意とするとこ。だから、パソコンのPentiumも今は2GHzとか、超早くなったわけで。

猛暑だったこの夏、今日のような雨の日には、ああ、ひと雨ごとに涼しくなっていくのだなぁ、なんて思うのは日本人ならではなのだろうか。カリフォルニアに2年住んでいた人が、雨が降らない事と四季がない事が耐えられなかった、と書いていた。アナログ的感覚は日本人には馴染みがあるもの。

規模が小さくとも、与えられた環境においてベストを尽くし道を究め、鍵となる技術に磨きをかけて、他人の追従を許さない完成度を目指すのはアナログ的発想。
物作りで、少しでも良くしようと、良い結果が少しでも予想されるなら手を加えたいのはアナログ時代に育った人達。閾値を超えないなら結果は同じだよねと無駄な仕事を捨て、効率を追求するのはデジタル的発想。
一つ一つの仕事は効率を上げてスピードを上げ、数をこなし、大規模なシステムとしての完成度を追う、それがデジタルが主流の現代のものづくり。

ガソリン車が主流だった時代、車の完成度を上げるのはアナログ的職人の技の集大成だったのだろう。それが電気自動車になるとデジタル的な発想が求められそうだ。電池もモーターも買ってきて組み立てたら、はいいっちょ上がり、みたいな。そうなると規模とスピードを追った企業が生き残るのだろう。

ハイブリッド車はエンジン(アナログ)と電子制御(デジタル)とのハイブリッドだから、日本企業に分がありそうだけど、電池で動くオールデジタル自動車の時代は様相が変わってしまうのかも。

ありゃ、なんだか気が付いたら長文になってしまいました。(どうも、話飛びすぎだよなぁ、思いつくままダラダラと書き連ねてしまった)。

そうそう、アナログとデジタルと聞いて、皆さんが何を思い浮かべるか、それを聞いてみたかったのでした。