国の借金が増えても、なぜか円高の日本

15年ぶりの円高1$=85円と聞いて、ああ確かに15年前に米国に出張した時、COACHでバック買って、ついでに買った皮のキーケースをお土産としてご近所で配ったら好評だったのを思い出した。円高差益分をご近所におすそ分け。今は日本にもあちこちにあるCOACHショップ、当時はお土産としてありがたがってもらえたもの。

あの頃、家具屋さんに間借りしてたベンチャー企業だったQUALCOMのサンディエゴのオフィスはちっぽけだったし、品質が悪いので韓国サムソンのEEPROMは使い物にならないと資材担当から釘を刺された。それが今や、32nm以降の半導体最先端プロセスを製造しているのは台湾のTSMCと韓国のサムソン、iPodを作っているのも台湾のEMSだし、資金を集めて設備を買い、人を集めて製造する、という仕事は日本からはどんどん減っている。

ただ物を作るというだけの仕事から、何を作るのか、何を知的財産として抑えるのか、そこが製造業としての生き残りの分かれ目だったのだなと15年を振り返って思う。

iPodが米国で売れているのが話題になったのは2001年の頃、それがiPod nanoとなり、iPhoneとなり、iPadとなる事を誰が予想できただろう。Apple社は物づくりは直接は手がけないけど、iPhoneのデザインとか、キーの並びとかには、プロダクツへの強いこだわりを見る事ができる。それは、初代Mac以来マウスのボタンが一個だったのと同じように。

たった10年、15年。世界の変化の早さに日本にいると気が付かないもの、あと10年の後、日本の姿はどう変わっているのだろう

この夏は、海外旅行の予定もないので、円高メリットの享受もできないけど、せめて、輸入物が安くなっていないのかなぁ。コストコにでも行ってみようかと思う、お盆休みの今日。