昨夕、会社更生法を申請して倒産した日本航空。

戦後国策でスタートした航空会社、80年代初には輸送量で世界一になったこともあって、当時は国際線は日本ではJALだけで、国内線も、札幌、羽田、等主要な都市だけ。その後ANAが国際線を飛ぶようになり、たしか最初はワシントン便だったかな、その後、JAS東亜国内航空)と合併。

今年成人した若者にアンケートを取ったら、5年前と比べて、実力主義より年功序列の会社を望む人が増え半数を超えているのだとか。社宅や厚生が充実して年功序列JALはまさにそんな昔ながらの日本の会社の典型。その会社が倒産してしまうのが、世の中の現実。若い人が上司に遠慮して物を言いにくい会社がグローバルな競争を勝ち抜けるとは思えない。年功序列の会社に成長は期待できない。

JALの新会長に京セラの創業者の稲盛氏、京セラは社員用のお墓があると聞くし、そんな社員思いの彼にリストラができるのだろうか。経済界での人脈が細い民主党だから、他に頼む経営者がいなかったとの指摘もあるけど、実際に会社の執行にあたる社長が誰になるのか、そこが重要。いっそ日本人じゃなく、日産を再建したカルロス・ゴーンのように外人の社長の方が過去のしがらみに囚われず日本の、慣習にとらわれることなく整然とリストラが進むのじゃなかろうか。

負債総額2.3兆円、人員削減1万5千人。社員の三分の一が退職を迫られるなんて、予想した社員はいまい。平均年収、スカイマークエアラインズが400万円、JALが900万円。同業種で倍の賃金格差、これも同額に収斂せざるを得まい。

JALが飛ばなくなった地方空港はどうなるのだろう?
今までは議員と官僚からの圧力で赤字でも飛行機をとばしてきたけど、これからはそうもいかない。沖縄の在日米軍普天間からの移設先の候補として佐賀空港を今日、沖縄の社民党照屋議員が視察したとか。Google mapで航空写真を見るとたしかに海に面した佐賀空港の周りは田んぼだらけ。島の真ん中の市街地と隣接した普天間飛行場に比べれば、軍用地に適した場所なんじゃなかろうか。

空港維持の費用は地元で負担してください、そういう事になったら、基地を誘致したいと考える地方自治体は増えるのかも。いや、そんなのゴメンだ。多少、不自由があっても、基地はいらない、どちらを選択するかは住民次第。いずれにしても、政府からの補助金はもうあてにはできない。

会社に依存しない個人、中央政府に依存しない地方自治体、自立する事が求められているのはどちらも一緒。