JALの再建、あるいは整理

民主党政権になってから産業再生機構による資産査定を経て、債権放棄による私的整理を選択すると予想されていた日本航空のリストラ策、チーム前原と呼ばれたその機構が銀行団と話が付かずに空中分解。その後、官民共同出資の企業再生機構が提案したのは法的整理による抜本再建。ついに株価は3ヶ月前の180円から60円代に。

約3年前にこのブログでも触れた、関連ホテル売却等で再生を果たすかと思えた日本航空。子会社売却で得た資金も結局は運転資金として使い切り、昨年11月に決めた1000億円のつなぎ融資だけでは不足で、さらに追加支援枠2000憶円が決定された様子。

民主党政権になって、なぜ急にJALの再建が動き出したのか。昨年のサブプライムローンをきっかけとした不景気で業績が落ち込んだ事もさることながら、政権党が変わった事で、議員の圧力や過去のしがらみを断てるようになったからなのだろう。

地方議員にとって、空港誘致は地域産業の活性化にとっては魅力的。空港の離発着枠を運輸省(今は国交省だっけ)に決められていた日本航空は政治家からの圧力には応じざるをえない、そんな過去があった。

「社員は悪くないんです。」
そういって頭を下げたのは倒産した山一證券の野沢社長。JALだって、社員に非があるとは思えない。OBの年金の減額に反対する会の世話役の日航OBが新聞で、「経営者でもない、権限もなかった私たちの年金が減らされるのは納得がいかない」、そう語っていた。

でも、どうなんだろう。社員である以上、管理職として働いた人だっていたわけだし、在職中の自分の責任の範囲で、会社の業績を立て直すべく努力をしていたのだろうか。もしかしたら、この会社の社員は業績の悪いのは経営者や組合のせい、経営者達は役人や議員のせい、そんな風に、人のせいにばかりして、非効率な会社運営に目をつぶってきたんじゃないのかな。

そう考える人ばかりだから会社の業績が悪くなったんじゃないだろうか。

僕のせいじゃない、政治が悪い、上司が悪い
これって、日本航空に限らず、日本の国、そのものにも当てはまるような気がしている。

人のせいにしないで、自分のやれる事、会社で、あるいは、国民として、それが出来ているのか、自分の胸に手を当てて考えてみたくなった、JALの再建話。