左翼国家アメリカが招いた金融危機
先週日記で書いたように、経済学っていうのは何だろう、みたいな事をつらつらと考えてみて、自分なりの結論というのは、結局、経済なんていうのは生き物なので、理屈通りにはいかないもの。株やFXで儲けようと思うのなら、難しいマクロ経済学の本なんて読んだって役には立たない、ジェイコム株で有名になったデイトレーダーみたいにPCの画面の数字の動きを見ながら株の売買でもしないことには金融で生計を立てるのは無理なんだろうなって思っていた。
だから、今書店に並んでいる、金融危機の原因は何、みたいな本を読んだところで本質を見極めるのは難しく、徒労におわりそう。ふと、家の書棚から引っ張り出してきた西部邁の『獅子たりえぬ超大国』、6年前に書かれた本なのだが、当時イラクでの戦争を始めた米国がなぜ、かくも傲慢になってしまったのかとか、IT革命だ、金融工学だとかいったって、それはマモニズム(拝金主義)にすぎなのだよ、と語るくだりが、今の金融危機を予期しているかのようで面白かった。経済学者とか評論家という人は過去に何を著わしたのかで、評価されるべきなのだと思う。
獅子たりえぬ超大国―なぜアメリカは強迫的に世界覇権を求めるのか
- 作者: 西部邁
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2003/04
- メディア: 単行本
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計画経済が行き詰って崩壊したソ連、株主資本主義が招いた金融危機にあえぐ米国、いずれも左翼の内ゲバと、今なら著者は指摘するのかもしれない。
自分はどちらの立場の人間なのだろう?
科学がもたらす進歩は貧困の解決に役立つし、変化を好む思考が強いから、その点では左翼といえそうだ。でも、人が生きていくうえで何が大事といったら、やっぱり人と人とのつながり、とか、家族とか、友人とか、共同体が人の生活も心も支えていると考えているし、日本人としての常識みたいなものも、ないがしろにしてはいけないと思っているから右翼かも。