Chinese Taipei

十数年前、初めて台湾に旅行した折、70歳くらいの台湾人ガイド(おじいちゃん)の流暢な日本語に驚いたことがある。流暢なだけでなく、日本でも耳にすることがない位きちんとした言葉使いで話をされていた。戦前、台湾が日本の一部であった事をその時初めて実感した。

田中角栄が首相だった頃、日中国交回復に伴い中華人民共和国と対立している台湾と日本は断交した。ナショナルフラッグキャリアであった日本航空 (JAL)は台湾との間に旅客機を飛ばすことができなくなり、日本アジア航空(JAA)という日本と台湾間の就航を目的とする航空会社が設立された。その後、台湾経済の成長に伴い、旅客数が増え、JAAは親会社のJAL以上に業績を伸ばしていくことになる。

昨日台湾の国民党が8年ぶりの政権の座についたように、台湾と中国は対立より経済的には協調の道を歩んでいるようにみえる。両国の対立が緩和に向かうことも影響しているのか、JAAは今月その役割を終え、来月から台湾に飛ぶのはJALになる。

この週末、地元の小学校の野球チームが親善試合のために台湾に旅立った。僕らが子供の頃には考えられなかったことだ。子供達同士、言葉は通じなくともスポーツやあるいは「ポケモン」のようなゲームを通じて、お互いに共通する文化を確かめ合うことになるのだろう。こんな形で交流した経験を持つ子供達にとって国境の垣根はもっと低いものになっていくのだと思う。

平和のための第一歩はお互いの「理解」に違いない。