「万能細胞」についてメモ

受精卵が分裂を始めたまだ細胞の塊でしかない段階を胚(はい)と呼び、この一部を取り出して培養したのがES細胞。胚は次の段階では分化して胎児になるので倫理的にこの研究には問題がある。

iPS細胞は人の皮膚から体細胞を取り出し、四つの遺伝子を加えることでES細胞と同じ機能を持つ細胞を作り出すことで、倫理的な問題が回避できるので注目を集めている。ES細胞の機能とは心筋細胞や神経細胞など様々細胞に分化できる能力のことなので、例えば、自分の皮膚からとった体細胞から治療に必要な細胞を作るといった再生医療の実現化につながる。

京大の山中伸弥教授はヒトのiPS細胞を開発することに成功、文部科学省は今後10年で250億円の研究資金を投入することになった。


自分からだの一部の細胞を取り出して胚という状態にすることを「初期化」と言うらしい。(パソコンみたい)。将来この技術が発展すると自分と同じ遺伝子を持った人間が作られるクローン技術にもつながりそうだ。

自分のクローンを工場で育てて、医療に利用したり、老いた臓器を交換したり、そんな未来が映画「アイランド」では描かれていた。かなりインパクトの強い映画で一度観たら忘れられない。最後のオチはいまいちだった気がするが、人工的に作られたクローンを起源とする生物の命をどう考えるのか。
いろいろと考えさせられた映画だった

研究者は技術を発展させることに邁進するが、その技術をどう応用するかで人類の未来は明るくもなるし悲惨なものにもなりうる。