Noise(ゆらぎ)

アナログとデジタルの違いは何かと聞かれたら、Noiseがあるかないかだろう

LPレコードが無くなってCD(コンパクトディスク)が登場して以来、Noiseのないデジタルのクリアなサウンドという言い方が世の中に受け入れられた頃からだろうか?

Noiseのない事が純粋な世界に近いのだと思われ始めたのは。

熱雑音というのはある温度に比例して分子がゆらいで生じるエネルギーのこと。絶対温度-273度より高い温度であればかならず分子は振動して熱雑音が生じている。だから、人が生きていられる温度条件でNoiseのない世界というのは存在しない。人を構成している分子ひとつひとつも揺らいでいる。

森や海、これらの自然につつまれている時、人が安らぎを覚えるのはNoiseだらけだからか。

木々のざわめき、波の音、予測しえない音や光の変化が心を揺するのだろう

予測しえないことに心がざわめくのは想像力を刺激するから

Noiseのある世界が実存する世界であって、デジタル化されたゼロとイチだけで表現される世界は仮想的な世界でしかない。ゼロとイチの数を増やして(ビット数を上げて)解像度を上げたところでデジタルに変換され量子化されたことで生まれてしまった誤差はなくなりはしない。

現実の世界は初めからアナログ的な連続的な変化の世界、飛び飛びのデジタルの世界とは異なる。ビットを増やして現実に近づけようとしている。

いったい何をやっているのか、現実は始めっからそこにある。