住宅長寿化へ税優遇 「住宅長寿命化促進法」

日本 30年

米国 44年

英国 75年

これは何の数字かというと住宅の平均寿命だ。

一戸建てについていうと、アメリカの住宅は木造の2x4建築が主流、英国はレンガを使った石造りの家、日本は鉄骨もあるが、木造が主流だろうか。

日本は地震が多い国だから、長く持つ様な住宅は作らないと言っていた人がいたが、それは本当だろうか。被災後の神戸の映像等を見ると最近建てられた耐震性の高い家は倒壊を免れていたように思えた。

イギリスでは住宅は壁にツタが這っていたり、屋根にコケが生えていたりと建築されてから何十年もの歳月を経たであろうという家がそこかしこで見られる。イギリスで新築住宅の工事現場を目にする事はまずない。

日本でも住宅の長寿化のための中古市場整備を政府が進めるらしい。「骨太方針2007」にも盛り込まれているそうだ。

住宅市場の規模 (うち中古住宅の割合)

日本 150万戸 (13%)

米国 800万戸 (78%)

英国 200万戸 (89%)

日本では新築住宅を取得する割合が高く、住宅ローンの負担が高い。しかも、中古住宅として流通しないから資産価値も低い。結局、汗水たらして働いてローンを払っても、払い終えた頃には二束三文になって、土地はともかく建物には値が付かないこととなる。

資産(ストック)をきちんと価値が下がらないように管理して次の世代に引き継げば、たとえ所得(フロー)が増えていかなくても、日本人全体としては豊かな生活ができるに相違ない。

住宅や土地は、道路や鉄道等と同じく公的なインフラに近い資産として認識される必要があるだろう。私有財産が資本主義の根幹をなす考え方であるとはいえ、住宅については国民共通の財産として良質な建物が作られていくよう税制や規制の面で国の果たすべき役割は大きいと思う。