出雲旅日記 その3 出西窯

今回の旅、山陰に場所を定めたのは旅の二週間程前

旅先でも世界遺産で知られる石見銀山をプランに入れていたものの、前日になって気が変わり、出西窯という陶器の工房を訪ねてみる事に変更と、気ままな旅

出雲神社の南方、ヤマタノオロチで有名な斐伊川の傍にある出西窯という陶器の工房
その工房の中は自由に見学できるようになっていて、出来上がった陶器は隣の展示販売館で購入できる。作業中にもかかわらず、ろくろを回していた職人さんが案内しましょうかと声をかけてくれた。朴訥な印象で多くを語らない彼と登り窯やらろくろ作業を見て歩く。

小さな青い小皿を購入してレジでの梱包を待つ間、奥のカフェでお待ち下さいと促された。
そのカフェでは好きなカップを選んで、くつろぎながらコーヒーが飲めるようになっていた。厚手のカップは唇にあたる感触も良く、購入意欲が湧いてきたものの同じ色の品物は売り切れとのことで断念

旅の二週間ほど前にテレビの旅番組で紹介されていたにもかかわらず、訪れる客もそれほど多くはなく、行列とは無縁な田んぼの中のこの工房と販売館

普段使いの小皿として手に入れた陶器を眺めていると、その地の緩やかに流れる時間と空気が思い出され、ほっとする

粘土から作るのが陶器、石を砕いて作るのが磁器
何千年もの昔から、こんな風に千度を超える窯で陶器を作ってきたのだろうか
飲み物も食べ物も、盛り付ける器で印象が変わるし、美味しくいただくには器も大切

陶器のもつ風合いに魅せられた今回の旅のひとこまでした