反原発、ではなく、次世代のエネルギー政策として

反戦とか反原発とか、代案もなく反対する政党は応援する気になれず、反原発、という言葉に違和感を覚えていた

そのせいもあって、「原発には反対ですか?」と聞かれたら、「福祉や社会保障にだってお金必要なわけだし、それを支えるためにも経済発展は欠かせないから、原発は止められないんじゃないの」と僕は今まで思っていた。

でも、先日原発に反対の立場をとる、ある自民党の議員の話を聞く会に参加して、日本の核燃料サイクルの政策が、そもそも成り立っていないと知り、これは、まずいなと思い始めている。

日本が太平洋戦争を始めた理由のひとつとして資源の輸入を止められたからという事情があって、その二の舞を避けるために原子力発電、という技術を選択したのは戦後の日本にとって当時は正しい選択だったのだろう。

資源の無い日本にとって、高速増殖炉が完成すれば2000年間はエネルギーの心配をする必要がないと言われれば、夢のような話。でも、その高速増殖炉というのが実験段階でもうまく行かず、完成は50年後と予定されているとか。

この高速増殖炉というのは発電後の軽水炉から出された放射性廃棄物の中からプルトニウムを取り出し、そのプルトニウムで発電を行うと1.2倍のプルトニウムに増殖するので、また発電できて、という、魔法のような、夢のような、いやただの詐欺かも知れない、という発電技術らしい

この一連の流れと核廃棄物の処理方法を含めて「核燃料サイクル政策」と呼ばれて、そもそも、それが成り立っていないよ、という事が、国会議員にも、国民にも理解されていない、という事が大きな問題と、その議員は指摘していた。

再生可能エネルギーと呼ばれる、風力、地熱発電太陽光発電、これらのコストとか供給の不安定さ(曇ったらダメじゃん)とか、いろいろと課題は山積みなのは分かるけど、「核燃料サイクル」って成り立っていないよ、という事を理解すれば、別の技術を推し進めざるを得ないのは明白。

再生可能エネルギーを使う段階に至らずとも、米国ではスマートグリッドを利用したベンチャー企業による電力制御なんてのも既に行われているとか。ここを電力会社任せにしたら、とても技術開発等進まない、というのも最もな意見だと思う。

反戦、反原発、政治的な意図をもって、使われてきたスローガンなので手垢が付いているけど、次世代のエネルギー政策どうするの? という真っ当で前向きな議論は今すぐにでも始める必要があると思う。

核燃料サイクル政策」という言葉すら理解していなかった自分への反省も込めて、勉強しないといけないし、何からやれそうなのか、という事を改めて考えさせられたこの会でした