カニングは良くない、そりゃまぁ、そうだが

今朝の紙面の一面は各社いちように「仙台の予備校生逮捕」

あちゃ、カンニングしただけで、全国紙でつるし上げですか。おそろしい世の中です。
恵比寿のWestin hotel にお忍びで来ていた芸能人の名前をtwitterに書き込んだアルバイトの女子大生が一夜にして、本名から、素顔の写真まで、あっというまにネットの住人によって晒された事件があったけど、ちょっとした出来心だったのに、大きく世間に知れ渡る、という意味ではどこか似た事件のように思えた。

最近は、尖閣諸島での中国漁船の衝突映像を漏洩した自衛隊員の事件、NinntendoDSで新宿で爆破がありますと予告のいたずらをした中学生の事件、力士の八百長の事件。ネットが絡んだ事件が次々と報道される。

これら事件に共通するのはネットに書き込んだ人物が、プロバイダが警察に提供したIPアドレスから犯人が特定された事、あるいは携帯電話の事業者がメールの内容を警察に提供して証拠として押収された事だろう。

悪いものは悪い、悪事は罰せられて当たり前。
一見至極当然と多くの人は考えるだろうが、本当にそれでいいのだろうか。

憲法で、通信の秘密を侵してはならないと規定されているのは、警察を含む国家という権力が国民の人権を侵害するのを防ぐためにほかならない。

そういう意味で、プロバイダがIPアドレスを警察に提供する、あるいは携帯電話の事業者がメールの内容を提供する、そこには国民が納得の行く基準があってしかるべきだと思う。

悪事を罰する前に、その手段が適法であったのか、憲法で保障されている人権を侵害する事にならないか、どこかで歯止めがかからないと戦前の治安維持法じゃないけど、警察という権力が国民のプライバシーを掌握し、自由に物のいえない時代にならないとも限らない。