SIMロック解除って何?そして、経営者としの孫社長

新聞でも取り上げられていたけど、原口総務大臣ソフトバンク孫社長とのtwitter上でのやりとりが話題になっていた。

金曜日に次世代の携帯電話の在り方について、総務省からの報告が出たとかで
その報告の目玉がSIM(シム)ロック解除

ちょっと聞き慣れない言葉だと思うので、補足してみたい
今使われている携帯電話には全てSIMカードというのが入っている。契約した時には説明を受けるのだが、そんなカード取り出す事も無いし、なんの事か忘れてしまっているのが普通だろう。

大抵は、携帯電話の電池を外すと、そこにSDカードより一回り小さなカードがささっているはず。
このカードには携帯電話回線契約者の識別情報とか電話帳とかが入っていて、万が一このカードを無くしてしまうと携帯電話は通話ができなくなってしまう。

元々はヨーロッパのGSMという携帯電話の通信方式で使わていたやり方。
お客さんは電気屋さんで携帯の端末を買う、そして、電話事業者(ドコモのような)にいって契約をするとこのSIMカードというのをもらう。そこで、SIMカードを携帯端末に挿入すると契約した電話事業者の回線を使って通話ができるようになる。と、こういう仕組み。

お客さんにとっては、契約している電話事業者に縛られずに好きな端末を買えるというとこがメリット。

SIMロックというのは、このSIMカードを特定の電話事業者でしか使えないようにロックしてしまう、という事。電話事業者の立場からするとずっと使ってくれるお客さんという事になるので、その分、携帯端末を安く売りましょう、昔あったゼロ円端末なんかもSIMロックだったからできたこと。

このSIMロック、というやり方を見直すべし、というのが金曜日に総務省から出された提案

原口総務大臣が「大きな歯車がここでも動き出しました。」とSIMロック解除に向けた動きを賞賛したつぶやきをしたのに対して、孫社長がただちに、「SIMロック解除したらスマートフォンの売値は4万円高くなります」と応酬。総務省として強制はしないとのつぶやきで話はまとまった。

ドコモに比べると見劣りのする携帯電話のつながりやすさ。もしSIMロック解除が強制されて、電波のつながりやすさだけで、電話事業者が競争にさらされたらソフトバンクは不利だろう。自社のビジネスにとって不利な規制に反発するだけでなく、顧客の立場で(価格あがりますよ)と疑問を投げかけたとこが経営者としての孫さんの優れたところ。

こういう経営者の立場で自社に有利な世論作りを直ちにアクションに移すのがトップとしての重要な役目。
YahooのADSL導入で格安インターネットを家庭に普及させた孫社長、顧客の利便性を前面に出しながら、自社の事業拡大を図る、流石である。