リフレ政策で雇用確保

「来年、うちの職場に新人来るんですか?」って、ランチ食べながら、今年30歳になる若手に聞かれて、「そうね、どうなんだろうね。」なんて受け答えをしていた。「どうして聞くの?」って尋ねたら、だって、「仕事取られたら困るから、」っていう彼の返事を聞いて、へぇ〜、僕らが30歳の頃とは随分と考え方が違うんだなと、あらためて思った。

僕らがその歳の頃は、こんな会社いつまでもいられないよね。もっと割のいい仕事、探さなくっちゃ、って、景気のいい話をしていて、新人に仕事を取られるなんていう心配はしたことがなかった。
この違いって、バブルを経験した根拠無く楽天的な世代と勝ち組&負け組み、という言い方で、不安をあおられてきた世代との間のギャップなのかなぁ、と思う。

雇用に不安がある今の時代、その解決策として提案されているのが、国債を日銀に買わせて、市場に出回る現金を増やす金融緩和政策なのだとか。昨年と比べ2%もの物価下落、いわゆるデフレが今の状況。このデフレを退治するためにはせっせと現金を刷って市場にいきわたらせるのがいい、いわゆるリフレ政策。

正社員への給与は下方硬直性が高いので(ようは簡単には下げられないよね)、だから景気悪いと、そのしわ寄せが新卒採用や派遣社員に及んでしまう。これを防ぐためには、インフレ気味にして、相対的に人件費を下げてしまえば、あらたな雇用を生み出す余裕が会社側にも生まれる、そういう理屈みたい。

そういえば、会社に入った頃、団塊世代の上司に、「高度成長期の日本ってどうだったんですか?」って聞いた事があって、いやぁ、給料は毎年10%位増えていたから気分よかったよ。でも、物価も同じような勢いで上がっていったから生活が楽になっていったわけじゃないけどね。と聞かされた。

やっぱり、物が安く買える、っていう事よりも給料の額面が増える、その方が単純に気分がいいのだろうな、って思う。景気というのが心理的なものだとすると、インフレ気味にすることが景気回復策なのだよ、という意見には説得力があるな、そんな事を、ランチを食べながらつらつらと考えていた。