ネットの時代の民主主義

一昨日の日記に書いた横浜情報文化センターの中の2階から5階までが日本新聞博物館というのになっていて、
http://newspark.jp/newspark/floor/index.html
日記の最後のほうにもちょっと書いたけど、ここがなかなか面白い

新聞社ってのは、取材、通信社、編集、広告、精作、販売、事業、とかいった縦割りの組織があって、「クライマーズ・ハイ」でも説明されていたけど、それぞれが紙面づくりに関わっているのだとか。

新聞の発達の歴史の紹介では、一時間で10万部の新聞印刷が可能な輪転機、取材の現場からの情報を送るのに使われた、古くは伝書鳩、カラーファクシミリロサンジェルスオリンピックで話題となった電子カメラでの映像伝送、KDDインマルサット通信衛星)を使って直径2m近いパラボラアンテナを広げて(傘を逆さまにした格好)、連絡手段の無い(たとえば戦場とか)から現場から記事を送る設備、なんてのが、並んでいて、こりゃ、けっこう楽しめる。

最後のほうには自転車にまたがって、新聞配達の実習ということなのか、ペダルをこぎながら、ハンドルを握って、新聞をポストに投げ込むというアトラクションまである。(これはお子様向け)。

こういう新聞を作る設備とか配達のための人件費って、ずいぶんとかかるのだろうけど、インターネット時代になって10万部のコピーが瞬時にできてしまい、伝送のためのインフラをほとんどただ同然で利用できるようになったこの時代、情報伝達が新聞社の独断場ではなくなり、広告費も伸び悩んで、新聞社は生き残りの道を真剣に考えなくちゃならないのだろうなと思う。

ブログという形で容易に個人の主義主張を大勢の人に伝える事ができるようになって、はてさて、新聞やTVが担ってきた世論形成の役割はいったい誰がこれから主導していくのやら。アメリカではブロガーと呼ばれる人達の発言力が強いともきくけど、日本ではどうなるのやら。

あなたとは違うんです」という言葉を最後に政権を放り出した首相を見てガッカリしたのは僕だけじゃないと思うけど、世論の形成には取材も必要だし、オピニオンリーダと呼べる見識豊かな人材も必要だと思う。ネットの時代の民主主義、どう変わっていくのでしょうね?