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NHK大河ドラマ篤姫」展を横浜関内に見に行くことに。
昔子供の頃に、「国盗り物語」なんていうのにはまった事があったが、今は大河ドラマは見ないし、あまり期待もせず家族を連れてお出かけ。

この展示会のやっている横浜情報文化センターでは昔のTVドラマやアニメとかがライブラリー化されていて誰でも見ることができる。
http://www.bpcj.or.jp/

家族が買い物をしている間、時間が空いたので、ここで、昔のTVドラマを見ることにした。

山田太一の「男たちの旅路」というNHKのドラマを見たいと思って探していたら「シルバーシート」というタイトルみつけた。水谷豊と桃井かおりの演じる警備員が羽田空港の屋上デッキで仕事の休憩をしている時に、一人の老人に声をかけられる。「昔、ロンドンで…」と語り始めるその老人は、警備員の間では昔話を延々と語る人として有名で仕事の邪魔になると煙たがれていた。そして、二人が邪険にしたその夜、心筋梗塞でその老人はなくなり、ご焼香のためにおとずれたその老人の家(老人ホーム)で他の老人達ともつながりができ…

とドラマをここまで見たところで視聴を中断、買い物を終えた家族と合流した。

30年前にこのドラマを見た時にとても印象に残った言葉があって、
「しかし、人間は、して来たことで、敬意を表されてはいけないかね?・・・・年をとりゃあ、誰だっておとろえるよ。めざましいことはできないよ。でもね、この人はなにかをしてきた人だ、こういうことをしてきた人だってんで、敬意を表されちゃあいけないかね?」
と語る老人の言葉を今も覚えている。(ここに書いた台詞はGoogleで見つけたのだけど)

水谷豊、桃井かおり、そして鶴田浩二、いずれも個性的な役者さん達、今見ると演技が過剰でちょっと鼻に付くと取られてしまうのかも知れないけど、当時山田太一の描く人間ドラマは濃い内容のものが多かった。(代表的なのは『岸辺のアルバム』かも)。

最近のTVドラマはどうなんだろう?
昔に比べると内容が薄っぺらになっている気がするのだが。この「シルバーシート」の舞台の羽田空港もまだ国際空港で、尾翼のパンナムのマークが過去を彷彿とさせていたなぁ。

などと郷愁に浸るも良し、生まれる前の話題になったドラマを探すのもよし
横浜情報文化センターにある放送ライブラリー、また行ってみたいと思った。

http://www.idec.or.jp/shisetsu/s6-jouhou.php4?f=jouhou/1-gaiyou.htm
ところで、このセンターの英語名称が
The Yokohama Media and Communications Center
っていうのがちょっと面白かった(情報でも文化でもない)。

なぜかっていうと、実は英語名称の方が実態をとても良く表しているから。だって、このセンターは新聞社と放送局の存在をアピールするためにあるようなセンターで、併設されている日本新聞博物館というのは明治の頃からの新聞の歴史が展示されていて、それはそれでとても楽しかった。文選馬(活字の棚)の実物も展示されていて文選工の仕事って大変だったろうな、なんてとても感心してしまった。

でもインターネットの時代どう生残るんだろうね?という答えは提示されていない。
新聞と放送が博物館入りなんてことになったら洒落にならないのにね。