1G(ギガ)から1T(テラ)へ

日本国内でのインターネットの通信速度がもうすぐ1Tbpsを越えるそうだ。G(ギガ)が10億、T(テラ)は1兆。日本のインターネットの歴史は80年代、東大東工大と慶応大学を結んだJUNETがその起源だ。当時は異種コンピュータ同士を接続するためのOSIという規格が策定されている時代でインターネットが反主流と日本国内ではみなされていた。あの頃は電話回線を使って通信をしていたというからせいぜい1Mbps、今の百万分の一位の速度だったのだろう。

最近ではyoutube等の動画を扱うサイトが増え、インターネットを流れるデータ量が急増。ネットを流れるデータの半分以上が動画のファイルで、この勢いで増え続けると、メールのやりとりや数Mバイト程度のファイルのやりとりにもいずれ支障をきたすと危惧されている。通信速度をあげるためにはインターネットのサービスを行っているプロバイダが設備投資をする必要があり、結果としては今のようなつなぎ放題のインターネットサービスを提供できなくなるおそれがある。そこで、動画ファイルのようなデータ量の多い通信には一定の制限を設けようという事が総務省で検討されている。

過去にはインターネットが万能であるかのうに信じられていた時期があって、ネットの時代が来ればTVも新聞もなくなると主張している人達がいた。だが、実際にはどうだろう? ネット広告が伸びているとはいえメディアの王様としてのTVは健在だし、マスコミとしての新聞の影響力は衰えてはいない。映画だってDVDはつたやでレンタルだ。

もし仮に日本国内でTVやDVDを見ている人達がネットだけを経由して動画を見るようになったらどうなるだろう? 一本の動画再生に必要なデータ通信速度は10Mbps。つまり、1Tbps ÷ 10Mbps = 10万、10万人の日本人が同時に自分の見たい番組やDVDをネット経由で見出したら、それだけで日本国内のインターネットは占有されてしまうことになる。

10年経ってもおそらくは放送のデジタル化は進むだろうが、TV放送局は存続しているであろうし、映画を自宅で再生する手段としてのディスクメディアは必要だろう。X芝がHD-DVDからの撤退を今日発表したことで、次世代ディスクの軍配はBD(ブルーレイディスク)に上がったようで、同じ皿の大きさで規格が違うなどという顧客不在の規格争いは終った。βとVHSのビデオ戦争なんて過去の話。

DVDでも十分な画質のような気もするが、40インチ以上の薄型大画面だともっと画質のいいBDで映画を見てみたくなるのかなぁ。今は一層で25Gバイトのこのディスク、さてさてどんなふうに使われていくのやら。