デジタル放送が始まると地方ケーブル局で在京キー局の番組が見られな

TV放送のデジタル化を期にケーブルTV局への再配信を中止しようという在京キー局が出てきている。アナログ放送の時代には再配信してもらう事で視聴者が増え、ケーブル局と在京キー局、両者にとってメリットがあったものの、地域毎に運営されていたケーブルTV局が統合されJ:COMのような地域を跨いで放送をてがける企業が登場してきた事で、在京キー局からコンテンツの提供を受けている地方局(地上波放送)の経営を圧迫するようになる事を懸念しての方針変更だ。

ケーブル局は生い立ちから言えば難視聴地域対策としてスタートしたが、TVだけでなくインターネットへの接続事業までやっている。ケーブルを使う特性上、電波を送るだけの放送局とは異なり、双方向に情報をやりとりする事に向いている。放送局側からすれば大規模化したケーブル事業者は競合相手ともなるわけだ。

個人的にはTV放送は光ファイバー経由に集約されるべきだと思う。TV放送に使われていた電波(周波数帯)が空いて、全て移動体通信に使われるようになれば、車載インターネットが可能になり、携帯電話もADSL並みの速度での通信のやりとりができるようになって、数千円程度で定額制のサービスが携帯電話でも可能になるだろう。

放送局のあり方も、コンテンツの作り手、コンテンツの配信という機能をわけて別企業で経営されるようになれば、光ファイバー一本で電話、放送、インターネットまで全てのサービスを提供する事の障壁が低くなる。

2011年にはアナログTV放送が終了するが、2020年には住宅の屋根からアンテナが消えているだろう。さらにいえば、電線が光ファイバーに集約され地下に埋設されて電柱が無くなれば、街の景観もすっきりとしたものになる。これぞ「美しい国、日本」か。