規則を守ることと国際標準ISO9001

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『知ることより考えること』 「自由と規律」から抜粋
善悪とは規則のことだと思うから、自分で善悪を判断しなくなる、できなくなる。状況に応じて自分で善悪の判断のできない人間たちの社会が、善い社会になるわけがない。

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この話を聞いて10年前にISO9001を導入した日本企業の弱体化の事を想起した。
当時、製造現場から設計開発まで、各業務プロセス毎にレビューして品質文書として文書化してISO9001を取得するという取り組みが盛んに行われた。バブルが弾けて日本企業が自信を失いかけていた頃だ。

欧米ではドキュメント化が設計開発業務でのアウトプットと定義されている事もあり、導入により欧米にならった近代的な業務の進め方ができると信じている人もいた。

しかし、結果としてはISO監査官僚の懐を暖めただけで、品質向上への寄与もなく、規則通りの文書化を進めただけで、自分で考えて業務を改善するという意欲を失わせただけだったように思う。

ISOを取得していた雪印不二家が品質で大問題を起こしたのに対して、ISOを取得していないトヨタ車は品質において高い評価を受けている。

自分で判断する事をやめたら社会も企業も良くならない。