自然死という死に方 ブッシュマンのニカウさんの場合

人の死に方には四つしかないそうだ。自殺、他殺、病死、事故死。
映画「ブッシュマン」で主演したニカウさんは自宅のトウモロコシ畑で死亡していたのが見つかったので、いずれにも当てはまらず自然死という事になるらしい。

ブッシュマン」という映画はアフリカで暮らす狩猟採集民族の部落に、ある日コーラの空き瓶が空から降ってきて、最初は便利に使っているのだが、ビンの所有を巡って争いが起き、主人公(ニカウさん)が地球の果てにビンを捨てに行くそんな話。便利さと物欲とに囚われた文明人を皮肉った四半世紀前の映画である。

主演のニカウさん自身、映画のヒットで財産を得たはずだが、アフリカで元の生活に戻っていったはず。

文明社会では医学の進歩のおかげで、病気になっても治療が続いて、長生させられる事になってしまった。自然死という死に方はとてもうらやましく思える。

以下、『知ることより考えること』より抜粋
死ぬという人生における最重要事が、自分の意思ではないのなら、人生を生きるということ自体、どうして自分の意思なんかであるものか。

    • 平易な文章だが、難解だ。